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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科63巻9号

2009年09月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科がん検診 【子宮頸がん検診】

1.子宮頸がん検診の歴史と現状

著者: 岩坂剛1

所属機関: 1佐賀大学医学部産科婦人科学

ページ範囲:P.1117 - P.1121

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はじめに

 子宮頸がん検診を話題にする際,1982年に成立した「老人保健法」に基づく頸がん検診がその始まりであると認識している人々が多い.実際には,それから遡ること30年以上前から熱心な医師グループによって始められ,小規模ながら地道に続けられてきたことを銘記しなければならない.こうして積み重ねられた努力が「老人保健法」のなかに結実し,全国的に行われるようになったのである.

 本稿では,子宮頸がん検診のきっかけとなった最初の発想から「老人保健法」に至る頸がん検診の歴史を概説するとともに,「老人保健法」後に提起されているさまざまな問題について考察する.

参考文献

1) Hinselmann H : Zur Kenntnis der präcancerösen Veränderungen des Portio. Zbl Gynäk 51 : 901─903, 1927
2) Hinselmann H : Einführung in die Kolposkopie. Hartung, Hamburg, 1933
3) Papanicolaou GN, Traut F : The diagnostic value of vaginal smear in carcinoma of the uterus. Am J Obstet Gynecol 42 : 193─206, 1941
4) 利部輝雄 : 集団検診.In : 武谷雄二編 : 新女性医学大系34子宮頸部の悪性腫瘍.pp199─222,中山書店,東京,2000
5) 厚生省保健医療局疾病対策課(編) : 老人保健事業報告.1984─1997,厚生統計協会,東京
6) 厚生労働省大臣官房統計情報部(編) : 悪性新生物の部位別に見た性・年齢別死亡数.昭和50年~平成18年人口動態統計下巻.厚生統計協会,東京
7) US Preventive Services Task Force : Guide to Clinical Preventive Services : Periodic Updates. 3rd ed., US Department of Health and Human Services, Washington DC, 2003
8) Bray F, Carstensen B, Moller H, et al : Incidence trends of adenocarcinoma of the cervix in 13 European countries. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 14 : 2191─2199, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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