臨床婦人科産科63巻9号

2009年09月発行

今月の臨床 婦人科がん検診 【子宮頸がん検診】

6.若年者の子宮頸がん検診―いかに検診を受けさせるか

著者： 二神真行¹ 横山良仁¹ 水沼英樹¹

所属機関： ¹弘前大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲：P.1149 - P.1155

はじめに

　30歳未満の子宮頸部細胞診異常者の増加が諸家の報告でなされており，われわれもこれまで同様の報告をしてきた^1～3）．一方，2004年3月の厚生労働省の老人保健事業に基づく乳がん検診および子宮がん検診の見直しについてのがん検診に関する検討会中間報告で，検診対象年齢を20歳以上とすること，検診間隔は2年に1度でもよいとすることが答申された．この答申を受けて，2005年4月からは，実際に各市町村で2年に1回の検診，すなわち隔年検診が行われている．われわれは以前から，青森県内における若年婦人の細胞診異常の年次推移を検討し，要精検率の増加を報告してきた．本稿ではこれまでの報告に加え，当科で治療を受けた高度異形成，上皮内癌および浸潤子宮頸癌症例の年次推移，さらに青森県における子宮がん検診の実施状況^4），女性のがん検診受診状況実態把握調査報告書^5）についても紹介し，いかに検診を受けさせるかを考察したい．

参考文献

1） 二神真行，他 : 若年者と子宮がん検診．産婦治療93 : 642─648，2006

2） 二神真行，他 : 30歳未満の子宮がん検診．産婦治療95 : 254─259，2007

3） 二神真行，他 : 子宮頸がん検診─特に隔年検診について．産婦実際57 : 867─873，2008

4） 青森県保健衛生課．青森県がん検診実施状況ホームページ，2008

5） 青森県健康福祉部，青森県生活習慣病検診管理指導協議会，乳がん部会，子宮がん部会 : 女性のがん検診受診状況実態把握調査報告書．2008