icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻1号

2010年01月発行

今月の臨床 母体救命搬送

【救急搬送のタイミングと応急処置】 3.診断未確定の重篤な症状

診断未確定の重篤な症状

著者: 杉本充弘1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター周産母子・小児センター

ページ範囲:P.49 - P.56

文献概要

はじめに

 母体救命搬送システムが整備されても,それだけで母子の予後が改善されるわけではない.システムを運用する「人の力」,なかでも産婦人科医の判断力や臨床能力が,母子の予後に大きな影響を与えることは明らかである.一方,一次・二次医療施設の医師が重篤な症状を呈する妊産婦を診療する機会は,それほど多くはない.しかし,稀な疾患や専門外の疾患に救急合併症として遭遇した場合でも,高次医療施設へ的確なタイミングで搬送することが求められる.産婦人科専門医として,重症妊産婦への適切な対応ができるように,日ごろから関連疾患の知識を整理しておくことが,母子の予後改善につながる.

参考文献

1) 杉本充弘 : 周産期医療システムの再構築─大都市における周産期医療システム(東京都).産婦の実際58 : 847─854,2009
2) 平松祐司 : 妊娠中の意識障害(子癇,脳出血).周産期救急のコツと落とし穴(岡村州博 編).pp8─9,中山書店,2004
3) 太田富雄,和賀志郎,半田 肇,他 : 急性期意識障害の新しいgradingとその表現法(いわゆる3・3・9度方式).第3回脳卒中の外科研究会講演集.pp61─69,にゅーろん社,1975
4) 坂本哲也 : けいれん.知っておくべき救急疾患100.診断と治療85(Suppl) : 38─49,1997
5) 佐川典正 : 妊娠中に痙攣をきたす疾患の鑑別診断.周産期救急のコツと落とし穴(岡村州博 編).pp48─49,中山書店,2004
6) 林 成之 : 頭痛.知っておくべき救急疾患100.診断と治療85(Suppl) : 31─37,1997
7) 松本 清 : 生命の危険を伴う可能性のある痛みとは?─特に頭痛について.治療75 : 55─59,1993
8) 小池荘介 : 胸痛および背部痛.知っておくべき救急疾患100.診断と治療85(Suppl) : 56─64,1997
9) 杉本充弘 : 妊娠中の急性腹症にどう対応するか.周産期救急のコツと落とし穴(岡村州博 編).pp18─19,中山書店,2004
10) 杉本充弘 : 産科救急疾患とその対策.産婦治療99 : 219─224,2009
11) 堀 進悟,相川直樹 : ショック.知っておくべき救急疾患100.診断と治療85(Suppl) : 97─105,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら