文献詳細
今月の臨床 母体救命搬送
【地域における母体救命搬送体制と問題点】
文献概要
はじめに
青森県では,母体胎児搬送のうち特に母体救命にかかわる搬送については,通常の搬送の取り決め以外に救命疾患ごとに施設の対応能力と専門医の有無によって,搬送先の選別を行っている.
厚生労働省(以下,厚労省)によって定められた総合周産期母子医療センターの基準には,母体救命のために連携しなければならない関連科の取り決めもなく,また,地域周産期医療センターにおいても,すべての診療科の医師がそろっていない規模であったり,あるいは妊娠中の合併症については取り扱っていないこともある.また,当該疾患にて,母体救命のために妊娠のターミネーションが必要な場合,早産で娩出される児については,その施設での対応が不可能な場合も生ずることがある.さらに,播種性血管内凝固(DIC)など全身麻酔を要する疾患があった場合でも,センターで麻酔科の対応が困難な施設も少なくない.
本稿では,母体救命に関しての当県での仕組みと,各救命疾患ごとの対応とその現状それらの問題点と今後の展望を解説する.
青森県では,母体胎児搬送のうち特に母体救命にかかわる搬送については,通常の搬送の取り決め以外に救命疾患ごとに施設の対応能力と専門医の有無によって,搬送先の選別を行っている.
厚生労働省(以下,厚労省)によって定められた総合周産期母子医療センターの基準には,母体救命のために連携しなければならない関連科の取り決めもなく,また,地域周産期医療センターにおいても,すべての診療科の医師がそろっていない規模であったり,あるいは妊娠中の合併症については取り扱っていないこともある.また,当該疾患にて,母体救命のために妊娠のターミネーションが必要な場合,早産で娩出される児については,その施設での対応が不可能な場合も生ずることがある.さらに,播種性血管内凝固(DIC)など全身麻酔を要する疾患があった場合でも,センターで麻酔科の対応が困難な施設も少なくない.
本稿では,母体救命に関しての当県での仕組みと,各救命疾患ごとの対応とその現状それらの問題点と今後の展望を解説する.
参考文献
1) 佐藤秀平 : 母体搬送時の施設間連携─困っているところ─2)地方.周産期医学36 : 1509─1514,2006
2) 佐藤秀平 : 母と子の命を救う救急医療ネットワーク─青森県の母体搬送ネットワークの現状と課題.「分娩拠点病院の創設と産科二次医療圏の設定による産科医師の集中化も出る事業」.平成19年度厚生労働省科学研究(主任研究者岡村州博)
3) 網塚貴介,佐藤秀平 : 青森県における超低出生体重児の集約化 その効果と課題.日本周産期新生児医学会誌 44 : 822─825,2008
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