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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻1号

2010年01月発行

連載 Estrogen Series・89

エストロゲンと乳癌(2) 更年期後におけるエストロゲンを含むホルモン療法と乳癌発生リスク

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.90 - P.91

文献概要

 ホルモン療法(HT)と乳癌発生との関連に関しては,多くの観察的研究がある.その関連の程度やHTの持続期間に関しては多くの報告がなされている.1990年代に行われたWHI調査はエストロゲンを含む製剤とプラセボとをランダムに割り当てた臨床試験である.プラセボに比較して,抱合型エストロゲン単剤の使用者では,そのHR(hazard ratio)は0.80(95%CI:0.62~1.04)である.抱合型エストロゲンとMPA(medroxyprogesterone acetate)の組み合わせを使用した場合には,HR=1.26(95%CI:1.0~1.59)である.

 テストステロンを含むHTは,更年期後の血管運動性症状があり,エストロゲン(+・-プロゲストゲン)のみでは症状が改善しないときに使用される.テストステロンはリビドーの改善,疲労の改善,一般的な患者のwell-beingを改善することが知られている.

参考文献

1) Risks and benefits of conjugate equine estrogen plus progestin in healthy postmenopausal women. JAMA 288 : 321─333, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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