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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻11号

2010年11月発行

文献概要

今月の臨床 低用量OCの普及をめざして

OCからHT―女性のQOL改善のために

著者: 福原理恵1 福井淳史1 水沼英樹1

所属機関: 1弘前大学産科婦人科教室

ページ範囲:P.1510 - P.1513

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はじめに

 低用量ピル(oral contraceptives : OC)はエチニルエストラジオールとプロゲストーゲンを配合した合剤で,確実な避妊効果に加え,月経困難症の緩和,月経周期の正常化,さらには痤瘡の治療などさまざまな副効用を有するため,女性のQOLを高める薬剤として現在普及が進んでいる.一方,ホルモン(補充)療法(hormone therapy : HT)は更年期症状の緩和や骨粗鬆症などエストロゲン欠落に起因する高齢女性のQOLを改善,維持することを目的とする療法であり,エストロゲンとプロゲストーゲンを投与するという点で共通する.しかしながら,両者は使用されるエストロゲンの種類や生物学的効果が異なるという大きな相違点を持つ.卵巣機能低下が始まり,更年期への準備段階である40代女性においては,妊孕性も有していることから,避妊や性成熟期におけるさまざまな疾患の治療,さらには退行期疾患の予防などの点で,臨床の場面において,低用量ピルからHTへの切り替えについて迷うことも少なくない.本稿では,低用量ピルとHTの違いやまたそれに基づく切り替えについて述べる.

参考文献

1) Mashchak CA, Lobo RA, Takano RD, et al : Comparison of pharmacodynamic properties of various estrogen formulations. Am J Obstet Gynecol 144 : 511─518, 1982
2) 玉舎輝彦 : 性ステロイドホルモン製剤.新女性医学大系産婦人科薬物療法.pp254─257,中山書店,2000
3) 低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(改訂版): 日本産科婦人科学会(編).http://www.jsog.or.jp/kaiin/pdf/guideline01feb2006.pdf
4) 更年期医療ガイドブック : 日本更年期医学会(編).pp4─7,金原出版

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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