icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻11号

2010年11月発行

今月の臨床 低用量OCの普及をめざして

OCの効用

2.月経周期の調節・月経困難症

著者: 安達知子1

所属機関: 1母子愛育会総合母子保健センター 愛育病院産婦人科

ページ範囲:P.1546 - P.1549

文献概要

はじめに

 女性が日常的に最も経験しやすい月経に関する大きなストレスは,大切なイベントに月経が重なる可能性が生じることと,女性の1/4以上に認められるというきわめて強い月経痛(月経困難症)である.

 経口避妊薬(oral contraceptives : OC)は間脳・下垂体・卵巣系の調節機序を上手に利用したホルモン剤であり,副作用なくきわめて簡単かつ確実に,人工的に月経周期を延長あるいは短縮でき,種々のイベントに月経が重ならないようにコントロールできる.また,月経困難症はとくに若い女性には頻度が高いが,OCによってこれが軽減するばかりでなく,経血量も減少して月経に関する心身の負担が減少するため,万一大切なイベントに月経が重なっても,自然周期よりは楽に対応しやすい.ここでは,月経周期コントロールの考え方,実施方法,月経困難症の頻度や原因,OCの作用機序などについて解説する.

参考文献

1) 産科婦人科用語集・用語解説集 改訂新版.p176,日本産科婦人科学会編集,金原出版,2006
2) 綾部琢哉 : 月経予定日に旅行.月経の調節方法は?小児内科37 : 1091─1093,2005
3) Richenlund A, Carlstrom K, Ekblom B, et al : Effects of oral contraceptives on body composition and physical performance in female athletes. J Clin Endocrinol Metab 89 : 4364─4370, 2004
4) 難波 聡 : 月経周期調節によるコンディショニングの実際.日本臨床スポーツ医学会誌14 : 197─202,2006
5) 安達知子 : 月経の人工移動法.今日の治療指針2010年版─私はこう治療している.医学書院,pp1012,2010
6) 大橋 宏 : 各種勤労婦人の月経随伴症状に関する研究.北関東医学15 : 61─92,1965
7) 働く女性の身体と心を考える委員会(座長 坂元正一) : 月経痛 働く女性の健康に関する実態調査結果 働く女性の身体と心を考える委員会報告書.財団法人女性労働協会,pp21─22,2004
8) 安達知子 : 思春期の月経困難症.特集 知っておきたい今日のホルモン療法.産婦治療98 : 159─162,2009
9) 安達知子,木下勝之,伊藤博之,他 : 子宮内膜症と女性のQOL.日医雑誌134 : 353─367,2005
10) 松本真希 : NSAIDs.疼痛コントロールのABC.日本医師会雑誌特別号119 : S70─74,1998
11) 低用量経口避妊薬使用に関するガイドライン(改訂版).
12) 子宮内膜症取り扱い規約 第2部 治療編・診療編.日本産科婦人科学会編,pp16─18,pp69,金原出版,2010
13) ACOG Committee Opinion. Number 310, April 2005. Endometriosis in adolescents. Obstet Gynecol 105 : 921─927, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら