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今月の臨床 子宮頸がんの予防戦略―ワクチンと検診 HPVワクチン─確実な予防効果
6.HPVワクチンの将来
著者: 近藤一成1
所属機関: 1NTT東日本関東病院産婦人科
ページ範囲:P.277 - P.281
文献購入ページに移動はじめに
子宮頸がんは早期に発見し治療することによって治癒する疾患と考えられている.30年以上にわたって,子宮頸がんの予防は二次予防である細胞診スクリーニングによって行われてきた.いわゆる子宮頸がん検診だが,先進国において高い評価を得て罹患率の低下に寄与してきた.2006年には,Gardasil(R)やCervarix(R)という発がんに最も関連性の高い16, 18型に対するHPV(human papillomavirus)ワクチンを用いる一次予防が導入されるようになった.これからの子宮頸がん予防はHPVワクチンを基本とした方法がメインになると思われる.しかし,現行ワクチンが標的にしていない発がん性HPVの感染予防や,既感染者や細胞診異常者に対する治療方法についてはまだ解決されていない.よって,有望な一次予防法を得ることはできたが,従来の細胞診による二次予防も継続しなければならない.そこで,本稿では幅広い型に有効な予防ワクチン開発や既感染者,細胞診異常者に対する治療の展望について概説する.
子宮頸がんは早期に発見し治療することによって治癒する疾患と考えられている.30年以上にわたって,子宮頸がんの予防は二次予防である細胞診スクリーニングによって行われてきた.いわゆる子宮頸がん検診だが,先進国において高い評価を得て罹患率の低下に寄与してきた.2006年には,Gardasil(R)やCervarix(R)という発がんに最も関連性の高い16, 18型に対するHPV(human papillomavirus)ワクチンを用いる一次予防が導入されるようになった.これからの子宮頸がん予防はHPVワクチンを基本とした方法がメインになると思われる.しかし,現行ワクチンが標的にしていない発がん性HPVの感染予防や,既感染者や細胞診異常者に対する治療方法についてはまだ解決されていない.よって,有望な一次予防法を得ることはできたが,従来の細胞診による二次予防も継続しなければならない.そこで,本稿では幅広い型に有効な予防ワクチン開発や既感染者,細胞診異常者に対する治療の展望について概説する.
参考文献
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2)Ochi H, Kondo K, Matsumoto K, et al : Neutralizing antibodies against human papillomavirus types 16, 18, 31, 52, 58 in serum samples from women in Japan with low-grade cervical intraepithelial neoplasia. Clin Vaccine Immunol 15 : 1536-1540, 2008
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4)Kondo K, Ishii Y, Ochi H, et al : Neutralization of HPV16, 18, 31, and 58 pseudovirions with antisera induced by immunizing rabbits with synthetic peptides representingsegments of the HPV16 minor capsid protein L2 surface region. Virology 358:266-272, 2007
5)Kondo K, Ochi H, Matsumoto T, et al : Modification of human papillomavirus-like particle vaccine by insertion of the cross-reactive L2-epitopes. J Med Virol 80 : 841-846, 2008
6)Timble CL, Frazer IH : Development of therapeutic HPV vaccines. Lancet Oncol 10 : 975-980, 2009
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