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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻3号

2010年03月発行

原著

帝王切開手術における新しい創被覆材の使用経験

著者: 中山毅1 石橋武蔵1

所属機関: 1JA静岡厚生連静岡厚生病院産婦人科

ページ範囲:P.329 - P.333

文献概要

 ラッププロテクターTM(八光メディカル)は,弾力のある円形リングを上下にもつシリコーン製の創被覆材である.帝王切開の開創器の役割および創保護を目的とした製品が開発されている.

 今回帝王切開時に,新たに開発されたラッププロテクターを使用した.術野は楕円形で十分に広く,助手の介助は必要とせずに,腹膜や子宮筋層を切開し,児を娩出することができた.術野が良好であるため,児の娩出,子宮筋層の縫合や癒着予防剤の貼付が非常に容易であった.Pfannenstiel切開時に下部リングが一部脱出してしまうことがあり,さらなる改良が望まれた.特に,人手が少ないなかでの緊急帝王切開時や,子宮内感染から創部感染のリスクが高い帝王切開では,ラッププロテクターを使用することが有用ではないかと考えられた.

参考文献

1)田中 仁,岩川和秀,岡田憲三,他 : 急性虫垂炎手術においてラッププロテクターミニを用いる方法.臨外57 : 980-981,2002
2)北川 亘,清水一雄,赤須東樹 : 手術手技改良型ラッププロテクターを用いた頸部内分泌外科手術.外科65 : 702-705,2003
3)安藤陽夫,永廣 格,青江 基,他 : 小開胸創に用いる新しい開創器ラッププロテクターを用いた小開胸を併用した胸腔鏡下手術.日鏡外会誌6 : 270-272,2001
4)犬房春彦,上田和毅,川辺高史,他 : 腹腔鏡下大腸切除術における新しい創縁保護器.日鏡外会誌5 : 361-363,2000
5)吉留克英,角村純一,徳永俊照,他 : 術後創感染防止への取り組み術中創被覆の有用性について.日手術医会誌24 : 197-199,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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