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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻4号

2010年04月発行

今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断

II 婦人科領域における超音波診断 [子宮疾患の超音波診断]

1.子宮奇形

著者: 赤松信雄1

所属機関: 1姫路赤十字病院

ページ範囲:P.400 - P.402

文献概要

 子宮には種々の奇形があり,0.1~1%の頻度であるといわれている.それらの多くは,(1)子宮筋腫などの内性器腫瘍との鑑別が必要である.また,(2)不妊症や不育症の原因となるために妊娠が可能か,妊娠の継続が可能かとの観点からの非妊時や妊娠初期の評価が必要である.さらに,(3)異所性妊娠の局在となることもあり,それらと子宮内妊娠との鑑別診断上も重要である.

 種々の子宮奇形を図1に示す1).重複子宮,双角双頸子宮,双角単頸子宮,完全中隔子宮,不全中隔子宮は(1),(2),痕跡副角を伴う単角単頸子宮は,(1),(2),(3),単角単頸子宮は(2)を評価することが,子宮奇形の種類を評価することとともに肝要である.これら以外にも弓状子宮,子宮発育不全ないしは欠損などが知られている.

参考文献

1)赤松信雄 : 婦人科疾患 子宮奇形,助産婦・看護師のための超音波画像診断(高橋克幸,水野正彦編).pp195-196,南江堂,東京,1993
2)松岡順治,赤松信雄,藤田卓男,他 : 子宮奇形に対する超音波断層法の応用.日本超音波医学会講演論文集35 : 175-176,1979
3)藤田卓男,正岡 博,油原 章,他 : 子宮奇形合併妊娠の超音波診断(2).日本超音波医学会講演論文集45 : 331-332,1984
4)藤田卓男,丹羽国泰,赤松信雄,他 : 子宮奇形合併妊娠の超音波診断(1).日本超音波医学会講演論文集41 : 281-282,1982
5)福本 悟,林 健興,高知床志,他 : 超音波診断が有用であった副角妊娠破裂症例.産と婦49 : 84-88,1982
6)小幡明儀,赤松信雄,福本 悟,他 : 胎児生存破裂前副角妊娠の1例.産婦の実際30 : 1759-1761,1981
7)青江尚志,平松祐司,小林靖明,他 : 術前に診断できた副角妊娠の1例.産婦の実際41 : 2001-2004,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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