文献詳細
今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
II 婦人科領域における超音波診断 [子宮疾患の超音波診断]
文献概要
超音波ビームが腫瘤内を通過する間に卵巣嚢腫と比べて子宮筋腫では減衰が大きい1~3).したがって,前者では後面エコー (底面エコー)の増強が起こり,後者では後面エコーの減弱や後方エコーに減弱や音響陰影が起こる(図1).底面エコーをみることで腫瘤内部の性状を推測できることがある.また,子宮筋腫の内部は均質で,血管なども少ないために超音波の反射が起こりにくく,子宮筋層よりも内部エコーが低い.内部エコーの均質性でも腫瘤内部の性状が推測できる.
ところで,正常内性器の超音波像を正確に知り,正常像との違いを認識することが腫瘍診断の第一歩である.正常像では,腟に続く子宮頸部は3×2.5×3cm前後の充実性エコーを示す4).子宮頸部に続く子宮体部の過半数は前屈しているが,後屈しているものも4割近くある.子宮体部は5×3.5×4cm前後の充実性パターンを示すが,その中央に高エコーの内膜像を有することが多い.
ところで,正常内性器の超音波像を正確に知り,正常像との違いを認識することが腫瘍診断の第一歩である.正常像では,腟に続く子宮頸部は3×2.5×3cm前後の充実性エコーを示す4).子宮頸部に続く子宮体部の過半数は前屈しているが,後屈しているものも4割近くある.子宮体部は5×3.5×4cm前後の充実性パターンを示すが,その中央に高エコーの内膜像を有することが多い.
参考文献
1)正岡 博,油原 章,西 睦正,他 : 子宮筋腫の超音波減衰に関する研究.日本超音波医学会講演論文集47 : 357-358,1985
2)正岡 博,赤松信雄,油原 章,他 : 子宮筋腫の超音波減衰に関する研究(2).日本超音波医学会講演論文集48 : 173-174,1986
3)正岡 博,沼本篤男,赤松信雄,他 : 婦人科領域における各種腫瘍の超音波周波数依存性減衰.日本超音波医学会講演論文集53 : 49-50,1988
4)赤松信雄 : 女性生殖器,USスクリーニング(竹原靖明,他編),pp274-280,医学書院,東京,2008
5)赤松信雄 : 子宮筋腫の診断 画像診断 超音波検査,子宮筋腫の臨床(平松祐司編),pp33-41,メジカルビュー社,東京,2008
6)赤松信雄 : 子宮良性腫瘍.新超音波医学(日本超音波医学会編).pp12-15,医学書院,東京,2000
7)赤松信雄 : 診断と手術の難しい靱帯内・水腫化筋腫例,子宮筋腫の臨床(平松祐司編).pp256-257,メジカルビュー社,東京,2008
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