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今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断 II 婦人科領域における超音波診断 [乳房疾患の超音波診断]
1.乳がん
著者: 植野映1
所属機関: 1筑波メディカルセンター・ブレストセンター
ページ範囲:P.492 - P.497
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乳癌は過去においては乳管から発生するものが乳管癌,小葉内から発生するものが小葉癌といわれてきたが,最近では,乳管癌は小葉内の細乳管から発生すると考えられるようになってきた.乳管癌も含めて乳癌の多くは小葉内から発生していると思われる.小葉内に発生した乳癌は乳管に沿って多層性に進展するが,乳管内では腫瘤は形成しないことが多い.浸潤能を獲得して基底膜を破壊して間質に浸潤すると腫瘤の形成に至る.この腫瘤が超音波では低エコー腫瘤として捉えられる.したがって腫瘤像を呈した乳癌は浸潤性となっていることが多い.
乳癌は過去においては乳管から発生するものが乳管癌,小葉内から発生するものが小葉癌といわれてきたが,最近では,乳管癌は小葉内の細乳管から発生すると考えられるようになってきた.乳管癌も含めて乳癌の多くは小葉内から発生していると思われる.小葉内に発生した乳癌は乳管に沿って多層性に進展するが,乳管内では腫瘤は形成しないことが多い.浸潤能を獲得して基底膜を破壊して間質に浸潤すると腫瘤の形成に至る.この腫瘤が超音波では低エコー腫瘤として捉えられる.したがって腫瘤像を呈した乳癌は浸潤性となっていることが多い.
参考文献
1)Kobayashi T : Diagnostic ultrasound in breast cancer : Analysis of retorotumourous echo patterns correlated with sonic attenuation by cancerous connective tissue. JCU 7 : 471-479, 1979
2)竹原靖明,渡嘉敷暁,山下宏治,他 : 乳癌の超音波診断における新知見.日超医講演論文集23 : 1,1973
3)Itoh A, Ueno E, Tohno E, et al : Breast diseases : Clinical application of US-elastography for diagnosis. Radiology 239 : 341-350, 2006
4)Kujiraoka Y, Ueno E, Tohno E, et al : Incident angle of the plunging artery of the breast tumors. In : Research and Development in Breast Ultrasound(Ueno E, Shiina T, Kubota M, et al : eds.). pp72-75, Springer-verlag, Tokyo, 2005
5)日本乳腺甲状腺超音波診断会議編 : 乳房超音波診断ガイドライン.南江堂,東京,2004
6)植野 映編 : リアルタイム乳房超音波診断.南江堂,東京,1991
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