文献詳細
今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
IV 産科における超音波診断─妊娠中・後期 [胎児の正常超音波像と形態異常]
文献概要
■胎児異常スクリーニング(表1)
超音波検査による胎児異常スクリーニングは,通常,胎児計測を行いながら行われる.頭部は大横径(biparietal diameter : BPD)を計測するときに,大きさとともに,その形状,mid-line shiftの有無,側脳室三角部(atrium)が10mm以上といった脳室拡大を示唆する所見,小脳の大きさや形状,後頭蓋窩の拡大や嚢胞性病変などの有無を確認する.また,顔面は口唇裂がないことなどを確認する.
■胎児MRI(magnetic resonance imaging)
胎児MRIとくに中枢神経系疾患における胎児MRIの有用性はほぼ確立している.画像が直感的に理解しやすく,また検者の技量に依存しないため,客観的な評価を得やすい.原則的に妊娠18週以降に行うことが望ましく,ガドリウムによる造影は行わない.ガドリニウムは胎盤を通過し尿中に排出され,胎児はそれを嚥下するという循環に陥り,腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fibrosis)が理論的には起こりえる可能性がある1).
超音波検査による胎児異常スクリーニングは,通常,胎児計測を行いながら行われる.頭部は大横径(biparietal diameter : BPD)を計測するときに,大きさとともに,その形状,mid-line shiftの有無,側脳室三角部(atrium)が10mm以上といった脳室拡大を示唆する所見,小脳の大きさや形状,後頭蓋窩の拡大や嚢胞性病変などの有無を確認する.また,顔面は口唇裂がないことなどを確認する.
■胎児MRI(magnetic resonance imaging)
胎児MRIとくに中枢神経系疾患における胎児MRIの有用性はほぼ確立している.画像が直感的に理解しやすく,また検者の技量に依存しないため,客観的な評価を得やすい.原則的に妊娠18週以降に行うことが望ましく,ガドリウムによる造影は行わない.ガドリニウムは胎盤を通過し尿中に排出され,胎児はそれを嚥下するという循環に陥り,腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fibrosis)が理論的には起こりえる可能性がある1).
参考文献
1)Chen MM, Coakley FV, Kaimal A, et al : Guidelines for computed tomography and magnetic resonance imaging use during pregnancy and lactation. Obstet Gynecol 112 : 333-340, 2008
2)Woodward PJ, Kennedy A, Sohaey R, et al : EXPWERT ddX Obstetrics. section2-3, Amirsys, Salt Lake City, 2009
3)Nicolaides KH. Screening for chromosomal defects. Ultrasound Obstet Gynecol 21 : 313-321, 2003
4)Lescale KB, Eddleman KA, Chervenak FA : The fetal neck and spine. In : Diagnostic Obstetrical Ultrasound(McGahan JP, Porto M, eds). JB Lippincott. Philadelphia, p197, 1994
5)胎児期水頭症・診断と治療ガイドライン : 胎児期水頭症ガイドライン編集委員会.金芳堂,東京,2005
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