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今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断 VI 新しい超音波技術の展望
胎盤血流の3次元表示と計測
著者: 秦利之1 野口純子2
所属機関: 1香川大学医学部母子科学講座周産期学婦人科学 2香川県立保健医療大学看護学科助産学
ページ範囲:P.782 - P.787
文献購入ページに移動3次元パワードプラを用い,胎盤実質内の血管数(vascularization)と血流(blood flow)を測定し,胎児胎盤機能を評価する新しい試みで,われわれはPVSと呼んでいる1).
3次元パワードプラにて胎盤のvolumeデータを取得する(図1).その際,パワードプラの設定を一定にすることが重要である.得られたvolumeデータをVOCAL(R)(Virtual Organ Computer-aided AnaLysis)imaging analysis(histogram analysis)を用いて解析する.まず,3断面表示された断面のなかから作業断面としてA断面を選び,母体面と胎児面の血管を含まない胎盤実質内で基準軸を直径とする球体を自動的に描出する(図2).次に,histogram analysisを用い,球体内のvascularization index(VI),flow index(FI),vascularization flow index(VFI)の各インデックスの値を計算する(図3).VIはvolume内の全voxel数に対するカラーvoxel数の割合(%)を,FIはvolume内のカラーvoxelの輝度の平均値を,そしてVFIはVIとFIを掛け合わせた値を表している.1つの胎盤内のサンプリング数は9~12個で,その平均値を各インデックスの値として用いる(図4).
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