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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻6号

2010年06月発行

文献概要

症例

腹腔鏡下生検で診断しえた後腹膜線維症の1例

著者: 加藤剛志12 山崎幹雄1 阿部彰子1 木村光宏1 林子耕1 中川康1 苛原稔2

所属機関: 1社会保険紀南病院産婦人科 2徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部産科婦人科

ページ範囲:P.1037 - P.1039

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 後腹膜線維症は,1948年にOrmondにより後腹膜腔の非特異的炎症として報告された,比較的稀な疾患である.後腹膜の線維化により尿管狭窄をきたして水腎症,腎後性腎不全へと進行する.画像診断で後腹膜の肥厚がみられ,理学所見と合わせて診断がつけばステロイド治療へと進む.

 今回の症例では,典型的な画像所見が得られず,また骨盤内腫瘍が鑑別として挙がったため,腹腔鏡検査および生検による病理検査で確定診断しえた.その後の全身検索で胃癌が発見され,治療中である.

参考文献

1) Ormond JK : Bilateral ureteral obstruction due to envelopment and compression by an inflammatory retroperitoneal process. J Urol 59 : 1072─1079, 1948
2) 内田潤一,杉崎徹三,戸塚大輔 : 後腹膜線維症にて急性腎不全を呈しステロイドが著効した二例.昭和医会誌64 : 507─512, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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