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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻7号

2010年07月発行

連載 教訓的症例から学ぶ産婦人科診療のピットフォール・55

腹腔内出血を発症し,救命しえた血液型不適合合併穿通胎盤の1症例

著者: 山本浩之1 澤田菜津子1 中田好則1

所属機関: 1京都第一赤十字病院総合周産期母子医療センター

ページ範囲:P.1138 - P.1142

文献概要

症 例

■妊娠歴

 39歳,2経妊・1経産.第一子は6年前に自然妊娠,経腟分娩.2008年自然流産,特別な処置は受けていないとのこと.同年12月より近医にて不妊治療開始.

■主訴

 妊娠28週0日,急激な右下腹部痛および季肋部痛.

■既往歴

 2004年3月,他院にて腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術.2009年3~4月に不妊治療の一環として内膜掻爬(詳細不明).ほかに,麻酔下にポリープ切除を受けたが,詳細は不明.心療内科通院歴があり,レキソタン®,マイスリー®を頓用.以前より不規則抗体(抗Jra抗体)陽性を指摘されている.

参考文献

1) 本池良行,篠塚憲男,杉本充弘,他 : 既往子宮内手術に起因する腹腔内出血を起こした(妊娠30週)1例.日産婦東京会誌56 : 9─11,2007
2) 森 美紀,立石洋子,野田清史,他 : 腹腔内出血を伴った穿通胎盤の1例,現代産婦人科57 : 85─88,2009
3) 楠木総司,今野秀洋,吉田幸洋,他 : 妊娠18週で穿通胎盤を原因として腹腔内出血を発症した筋腫核出後妊娠の1例,日産婦千葉会誌2 : 27─30,2008
4) 埜口千里,中根正樹,村川雅洋,他 : 穿通胎盤合併妊娠の帝王切開において大量出血を来した2症例,麻酔57 : 616─620,2008
5) 森田秦央,水野 樹,森田茂穂,他 : 子宮全摘出術中に大量出血を来した穿通胎盤の1症例,麻酔58 : 1025─1027,2009
6) 炭竈誠二 : 前置癒着胎盤の実態と当院における治療の変遷,日産婦会誌61 : 1841─1851,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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