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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻7号

2010年07月発行

連載 Current Clinic

妊婦健康診査未受診妊婦の実像から対応策について考える

著者: 水主川純1 定月みゆき1 五味淵秀人1 箕浦茂樹1 細川真一2 松下竹次2

所属機関: 1国立国際医療研究センター産婦人科 2国立国際医療研究センター小児科

ページ範囲:P.1148 - P.1152

文献概要

 未受診妊婦が社会的問題になっている.当院で診療した未受診妊婦33例の現状を分析したところ,経済的困窮が未受診の最多の理由であったが,その背景に「未入籍」「妊娠相手と音信不通」「住居不定」など,さまざまな問題があることがわかった.

 未受診という事態を回避するためには,思春期での母子保健に関する教育を充実させ,妊娠や出産に関して責任ある自己決定ができる環境を整備することが重要である.妊婦が妊婦健診の重要性を認識したうえで,医療機関と行政機関が連携し,母児の状態や社会背景に応じた支援や対応をすることが望まれる.

参考文献

1) 松田義雄 : 平成20年度厚生労働科学研究「わが国における新しい妊婦健診体制構築のための研究」総括・分担研究報告書.pp144─167, 2009
2) 水主川純,定月みゆき,箕浦茂樹,他 : 当科における妊婦健康診査未受診妊婦の検討.日周産期・新生児会誌45 : 32─36,2009
3) 母子衛生研究会 : 母子保健の主なる統計.pp53─55,母子保健事業団,2007
4) 小林秀行 : 行政からみた妊娠・出産・周産期への支援体制.周産期医学38 : 431─433,2008
5) 清水嘉子,伊勢カンナ : 母親の育児幸福感と育児事情の実態.母性衛生47 : 344─351,2006
6) 水主川純,定月みゆき,箕浦茂樹,他 : 当科における婦人保護施設入所中妊婦の検討.日周産期・新生児会誌45 : 759─762,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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