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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科64巻8号

2010年08月発行

今月の臨床 子宮内膜症・腺筋症の外科的治療─機能温存をめざして

子宮腺筋症の機能温存手術

2.子宮筋フラップ法による子宮腺筋症摘出術

著者: 長田尚夫1 永石匡司2 山本樹生2

所属機関: 1加藤レディスクリニック 2駿河台日本大学病院産婦人科

ページ範囲:P.1202 - P.1208

文献概要

はじめに

 子宮腺筋症は,子宮筋層に発生する子宮内膜症で好発年齢は,30歳代であるが,最近の結婚年齢の高齢化に伴いますます増加傾向にある.子宮筋層内に広範囲に広がる重症子宮腺筋症は,強度な月経痛,過多月経による貧血などによって日常生活に支障をきたすばかりでなく長期にわたるホルモン療法や鎮痛剤の服用を余儀なくされる.また不妊症も合併することも多い.子宮腺筋症の治療には,GnRHアナログ,ピル,アロマターゼ阻害剤などを用いる薬物療法,子宮腺筋症塞栓術,開腹術や腹腔鏡下手術による子宮腺筋症摘出術など多くの選択肢がある.しかし薬物療法や手術療法にも限界があることから,最後には子宮全摘術に至るケースも少なくない.

 本稿では,子宮壁の広範に存在する,いわゆる重症子宮腺筋症に対する子宮筋3重フラップ法による子宮腺筋症摘出術について術式とその臨床効果を紹介する.

参考文献

1) 長田尚夫,阿部誠司,武谷千晶,他 : 難治性子宮腺筋症の外科的治療.日本産婦人科手術学会機関誌,産婦人科手術14 : 101─107,2003
2) 長田尚夫 : 子宮腺筋症摘出術,子宮筋3重フラップ法(triple-flap method)による子宮腺筋症摘出術.第27回エンドメトリオージス研究会誌27 : 39─42,2006
3) 長田尚夫 : 子宮腺筋症摘出術.産婦の世界4 : 701─706,2006
4) 柿沼敏行,長田尚夫,小川浩平,他 : 子宮筋3重フラップ法による子宮腺筋症摘出後,妊娠・分娩に至った双胎妊娠の1例.日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌46 : 353─359,2009
5) 長田尚夫 : 実践婦人科腹腔鏡下手術.pp1─396,Medical View,東京,2009
6) 杉並 洋 : 子宮腺筋症出術での妊孕能温存.産と婦68 : 1017─1023,2001
7) 西田正人,須藤敦夫,隠野理恵,他 : 新しい子宮腺筋症核出術.日本生殖外科学会誌16 : 33─35,2003
8) 藤下 晃,北島道夫,三浦成陽,他 : 子宮腺筋症に対する逆H字切開法─改良点の報告.日本生殖外科学会誌17 : 50─55,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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