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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻1号

2011年01月発行

連載 Estrogen Series・91

Bioidentical hormonesとは?

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.67 - P.67

文献概要

 最近,米国ではBioidentical hormonesと呼ばれるホルモンが,新聞,テレビでかなり頻繁に広告されている.Bioidentical hormonesとは,生体内にあるホルモンと化学的に同一な構造のホルモン」という意味である.これに関して,最近のThe Medical Letter誌からご紹介したい1~3).これらは,主に大豆(その他の植物源)から生成された薬剤で,その化学的な構造は生体内のホルモンと実際に同一である.ただし,この製剤はFDAによる認可を得ていない.この製剤は薬品を混合して新製品をつくる製薬会社である“compounding pharmacy”に分類される会社によりつくられるが,これらの薬局はFDAの管轄下にはない.その成分を分析すると,力価にはばらつきが多く,測定してみると,ラベルに表示されているホルモン力価の67.5%~286.4%であった,との報告がある(2006年の調査結果).

 Bioidentical hormoneの製剤に当たっては,患者個人の測定値にもとづいてその用量が決められる.Compounding pharmacyは,患者の唾液中のエストリオール(estriol)値を測定することにより,投薬量を決定する.ただし,唾液中のエストリオールが実際に血清中のホルモン濃度をどの程度反映し,相関するのか,に関する科学的証明はない.これに対して製薬薬局は唾液は血液を源とするものであるから,唾液中のホルモン濃度は血中の遊離ホルモン濃度を反映するのだ,と主張している.

参考文献

1) Bioidentical Hromones. Medical Letter. Obstet Gynecol 116 : 1209─1210, 2010
2) The Medical Letter 52 : Issue 1339, May 31, 2010
3) http//:medicalletter.org/.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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