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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻10号

2011年10月発行

文献概要

今月の臨床 子宮頸癌─予防と妊孕性温存のための治療戦略 予防戦略

1.子宮頸がん一次・二次予防

著者: 橋口真理子1 岩坂剛1

所属機関: 1佐賀大学医学部産科婦人科学

ページ範囲:P.1206 - P.1211

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 最近,子宮頸がん予防法としてヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus : HPV)ワクチンが開発され,世界中で臨床応用されているが,これは子宮頸がんの発症病因であるHPV感染そのものを予防するものであり,一次予防法と呼ばれる.一方,これまで広く行われてきた子宮頸部細胞診を用いたスクリーニング法は,すでにできた病変を早期に発見し,早期に治療することによりがん死亡を予防する方法であり,二次予防法と呼ばれる.

 本稿では,子宮頸がんの二次予防法である子宮頸部細胞診によるがん予防の現状について述べるとともに,欧米で試みられているHPV Testingの併用の是非について考察する.また,一次予防法であるHPVワクチンの導入によってどのような変化が起こりうるかについても考察する.

参考文献

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7) Bray F, Carstensen B, Moller H, et al : Incidence trends of adenocarcinoma of the cervix in 13 European countries. Cancer Epidemiol Biomarkers Prev 14 : 2191─2199, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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