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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻11号

2011年11月発行

今月の臨床 常位胎盤早期剥離─ワンランク上の診断と治療

早剥の胎盤病理

著者: 中山雅弘1

所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター検査科

ページ範囲:P.1364 - P.1370

文献概要

 胎盤早期剥離は,痛みや,出血,子宮増大などの徴候があり,胎盤が早期に子宮壁と分離するものであり,胎盤から考えると,胎盤後血腫と辺縁出血が該当する.大部分は胎盤にはっきりした異常所見がみとめられる.母体面に胎盤後血腫が見られ,変性・壊死やときに脱落膜の変形がみられる.ときに胎盤後血腫が認められずに,辺縁出血のみが認められることもある.あるいは,早期のものでは胎盤にその痕跡を残さないこともある.臨床的な早剥と,胎盤後血腫・辺縁出血との関連を当科の30年間のデータで示す.また,早剥との関連でよく問題となる,Breus’ moleやchronic abruption-oligohydramnios sequence(CAOS)についても記載する.

参考文献

1) Saftlas AF, Olson DR, Atrash HK, et al : National trends in the incidence of abruptio placentae, 1979─1987. Obstet Gynecol 78 : 1081─1086, 1991
2) Fox H : Pathology of the placenta. 2nd Ed. Saunders, London, 1997
3) 中山雅弘 : 目でみる胎盤病理.医学書院,2002
4) Kraus FT, Redline RW, Gersell DJ, et al : Placental Pathology, Atlas of Nontumor Pathology 3 AFIP, Washington DC, 2004
5) Heller DS, Rush DS, Baergen RN : Subchorionic hematoma associated with thrombophilia. Pediatr Dev Pathol 6 : 261─264, 2003
6) 有澤正義,若浜陽子,中山雅弘 : Breus’moleの頻度と病理的特徴について.臨婦産44 : 267─269, 1990
7) Ellicott JP, Gilpin B, Strong TH Jr, et al : Chronic abruption-oligohydramnios sequence. J Reprod Med 43 : 418─422, 1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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