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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻12号

2011年12月発行

文献概要

連載 Estrogen Series・101

内診はピル処方の条件か?ピルを処方するときに,内診は本当に必要なのか?

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.1498 - P.1498

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 内診はピルを必要とする若い女性にとって,かなりの障害物となっているのではないか,との疑問を持つ医療従事者は多い.内診を条件とせずピルを処方することができれば,ピルはもっと容易に入手でき,結果として望まない妊娠は減少するのではないか?

 この疑問に対して,WHOおよびACOG(米国産婦人科医会)は,内診なしでも安全にピルの処方(特に初回処方)をすることは可能である,としている1, 2).ピルの服用開始にあたり,体重,血圧,既往歴は必要であるが,性感染症や子宮頸部癌のスクリーニングは必須ではない3).なお,ACOGのガイドラインによれば,PAPスメアは初回性交3年以内,あるいは21歳以前に行えばよい,としている4).その真意は,初回処方時には内診や検査なしで出しておいて,あとになってから内診や検査をしようとするものである.

参考文献

1) WHO. Selected Practice Recommendations forr contraceptive use. WHO, 2004
2) ACOG. Guidelines for womens health care. AOOG, 2007
3) Ste3wart FH et al : Clinical breast and pelvic examination requirement for hormonal contraception. JAMA 285 : 2232─2239, 2001
4) ACOG Practice Bulletin No.109. Obstet Gynecol 114 : 1409─1420, 2009
5) Henderson JT, et al : Pelvic examinations and access to oral horomonal contraception. Obstet Gynecol 116 : 1257─1264, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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