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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻2号

2011年02月発行

文献概要

今月の臨床 静脈血栓塞栓症─予防・診断・治療

産婦人科における静脈血栓塞栓症の現状

著者: 小林隆夫1

所属機関: 1県西部浜松医療センター

ページ範囲:P.98 - P.103

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はじめに

 静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)はこれまでわが国では比較的稀であるとされていたが,生活習慣の欧米化などに伴い近年急速に増加している1).血栓症で臨床的に問題となるのは,深部静脈血栓症(deep vein thrombosis : DVT)とそれに起因する肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)である.PTEはDVTの一部に発症する疾患であるが,一度発症するとその症状は重篤であり致命的となるので,急速な対処が必要となる.本稿では,産婦人科におけるVTEの現状を紹介する.

 日本産婦人科・新生児血液学会では,1991年から2005年までに2回全国調査(第1回調査 : 1991~2000年2),第2回調査 : 2001~2005年3))を行った.

参考文献

1) 小林隆夫 : 静脈血栓塞栓症ガイドブック改訂2版(小林隆夫編集).中外医学社,東京,pp1─252,2010
2) 小林隆夫,中林正雄,石川睦男,他 : 産婦人科領域における深部静脈血栓症/肺血栓塞栓症─1991年から2000年までの調査成績.日産婦新生児血会誌14 : 1─24,2005
3) 小林隆夫,中林正雄,石川睦男,他 : 産婦人科血栓症調査結果2001─2005.日産婦新生児血会誌18 : S3─S4, 2008
4) Sakuma M, Fukui S, Nakamura M, et al : Cancer and pulmonary embolism-thrombotic embolism, tumor embolism, and tumor invasion into a large vein. Circ J 70 : 744─749, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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