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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻2号

2011年02月発行

今月の臨床 静脈血栓塞栓症─予防・診断・治療

産科領域での静脈血栓塞栓症の予防策

著者: 早田裕1 増山寿1 平松祐司1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科・婦人科学教室

ページ範囲:P.118 - P.121

文献概要

はじめに

 妊娠に関連する静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism : VTE)の発症リスクは非妊娠時よりも5倍以上高く,また妊娠のどの時期でも発症するとされている1).血液凝固系の亢進,妊娠子宮による静脈圧迫など正常妊娠自体がVTEのリスク因子である上に,不育症の原因となる血栓性素因(抗リン脂質抗体症候群,プロテインC欠乏症,プロテインS欠乏症,ATIII欠乏症など),切迫早産加療のため長期ベッド上安静,帝王切開術後などはさらにハイリスク因子となる.産科的肺塞栓症はいまだ妊産婦死亡の上位を占める原因であるため,産科領域において肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism : PTE)およびその主な原因である深部静脈血栓症(deep vein thrombosis : DVT)の予防は妊産婦死亡を減少させるうえで不可欠である.

参考文献

1) 小林隆夫 : わが国の産婦人科領域における静脈血栓塞栓症の実態.産婦実際54 : 869─873,2005
2) 松尾汎 : 静脈血栓塞栓症の診断とリスク評価.産と婦77 : 888─896,2010
3) 小林隆夫 : 婦人科疾患の診断・治療・管理深部静脈血栓症・肺塞栓症.日産婦誌61 : 591─598,2009
4) LEE T. DRESANG,Fontaine P, Leeman L, et al : Venous Thromboembolism During Pregnancy.Am Fam Physician 77 : 1709─1716, 2008
5) 肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断・治療・予防に関するガイドライン(2002─2003年度合同研究班報告).Circulation Journal 68 : 1079─1134, 2004
6) 心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン(2003─2004年度合同研究班報告).Circulation Journal 69 : 1267─1328,2005
7) 中村真潮 : 肺塞栓症の予防と治療.産と婦77 : 912─918,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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