icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻3号

2011年03月発行

原著

子宮頸部初期病変に対するLEEP法による円錐切除術の検討―ループ型電極とニードル型電極の比較

著者: 我妻理重1 三浦伶史1 湊敬廣1 濱田裕貴1 松本大樹1 吉田祐司1

所属機関: 1大崎市民病院産婦人科

ページ範囲:P.279 - P.282

文献概要

 子宮頸部初期病変に対してLEEP法による円錐切除術を行った112例において,その有用性を検討するとともにループ型電極を用いた場合とニードル型電極を用いた場合とでの治療成績の比較を行った.

 術後病理診断の結果,CIN3+AISが1例,CIN2もしくはCIN3が91例,Invasive ca.Ia1が11例,Ia2が1例,Ib1が8例であった.上皮内病変症例(92例)のうち完全切除例は90例(98%),そのうち再発が3例(3%)であり,治癒率(完全切除かつ再発なしの割合)は95%(87/92例)であった.上皮内病変完全切除例における再発率はループ型群11%(3/27例),ニードル型群0%(0/63例)であったが有意差はみられなかった(Log-rank test ; p=0.28).ニードル型電極を用いて行った症例の治癒率は98%(63/64例)で,ループ型の86%(24/28例)より高値であったが,観察期間に差があるため予後への寄与は不明であり,さらなる症例の蓄積と長期間の観察が必要と考えられた.

参考文献

1) 宇田川康博,八重樫伸生 : 子宮頸癌治療ガイドライン2007年版(日本婦人科腫瘍学会編).pp19─22,金原出版,2007
2) 久布白兼行 : 子宮頸部円錐切除術.日産婦誌57 : N437─N442,2005
3) 横山正俊,岩坂 剛,杉森 甫 : 局所療法.円錐切除(レーザー蒸散法を含む).子宮頸部の悪性腫瘍1(武谷雄二編).pp343─350,中山書店,2000
4) 植田政嗣 : CINのレーザー治療はどのように行うか? 産婦の実際52 : 1655─1663,2003
5) 高山雅臣,藤原 潔,永田順子 : LEEP法.子宮頸部の悪性腫瘍1(武谷雄二編).pp351─355,中山書店,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら