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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻4号

2011年04月発行

雑誌目次

今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント 思春期

1.早発思春期

著者: 綾部琢哉

ページ範囲:P.305 - P.311

 本稿は,早発思春期(precocious puberty)について,日本産科婦人科学会編,産婦人科研修の必修知識2007に筆者が記載した内容に,新知見を加えて書き直したものである.

2.遅発思春期

著者: 藤井絵里子

ページ範囲:P.312 - P.317

1 概 念

 思春期とは第二次性徴の出現から始まり,初経を経て第二次性徴が完了し,月経周期がほぼ順調になるまでの期間(わが国ではだいたい8~9歳から17~18歳ごろまで)をいう.日本産科婦人科学会の用語委員会では「思春期とは性機能の発現,すなわち乳房発育,陰毛発生などの第二次性徴の出現に始まり,初経を経て第二次性徴が完成し,月経周期がほぼ順調になるまでの期間をいう」と定義している.乳房発育が11歳まで,恥毛発育が13歳まで,初経が14歳までにみられないものを遅発思春期とする.日本産科婦人科学会の定義では15歳以上で初経の発来したものを遅発月経,18歳になっても初経が起こらない者を原発性無月経としている.

 体質上の単純遅延は約15%あり,その後正常な思春期過程をとることが多く,多くの女子は正常成人身長に達して,経過観察のみで治療の対象とはならない.待機的に経過観察中は原発性無月経と遅延との鑑別は困難である.

3.月経不順

著者: 深澤宏子 ,   平田修司

ページ範囲:P.318 - P.321

1 概 念

 月経とは「通常,約1か月の間隔で起こり,限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」と日本産科婦人科学会用語集では定義されている1).月経異常には満18歳になっても初経が起こらない原発性無月経や,それまであった月経が,3か月以上来なくなった続発性無月経と,周期の異常である月経不順,量の異常である過多月経・過少月経,随伴症状のある月経困難症などが含まれる.月経周期の正常範囲は25~38日であり,月経不順はこの周期の異常をいう.月経周期の日数により頻発月経,希発月経,不整周期月経に分類される(表1).

 日本産科婦人科学会による思春期の定義は「性機能の発現,すなわち乳房発達,陰毛発生などの二次性徴出現に始まり,初経を経て,二次性徴の完成と月経周期がほぼ順調になるまでの期間」としている.初経発来の平均年齢は12.4歳であり,98%は15歳までに月経が始まる.しかしながら,初経発来後の1年~3年は月経周期が不順なことが多い.

4.機能性月経困難症

著者: 安達知子

ページ範囲:P.323 - P.327

1 概 念

 大多数の若い女性に月経痛(menorrhalgia)が認められる.日常生活が障害されるような月経痛は月経困難症と呼ばれ,器質的異常を認めない機能性(原発性)月経困難症と器質的疾患によっておきる器質性(続発性)月経困難症の2つに分類される1).若年女性,特に思春期女性の月経困難症は,そのほとんどが機能性月経困難症であり1, 2),年齢とともに軽快していくため,この時期に上手に対応して,学校生活や社会生活が支障なく送れるようにすることは大切である.

5.摂食障害

著者: 戸田稔子

ページ範囲:P.329 - P.333

1 概 念

 摂食障害(eating disorder : ED)とは,不安やストレスを心で感じ解決する代わりに「食べる」「食べない」のこだわりに置き換え,食行動異常により発散する精神疾患である.思春期女性に好発し,肥満恐怖を伴う食行動異常を主症状とし,慢性に経過する難治性疾患である.EDは大きく,病的なやせのある神経性食欲不振症(anorexia nervosa : AN)とそうでない神経性過食症(bulimia nervosa : BN)に大別される.発症年齢のピークはAN : 12~18歳,BN : 15~22歳と,BNはANよりやや遅れて発症する.発症年齢は低年齢化し,近年のAN患者の25%は15歳未満である.思春期のEDではBNは少なく,制限型のAN(思春期やせ症)が多いといわれている.よって本稿ではANについて解説する.近年の社会文化的環境の変化を背景にして患者数は増加している.内科・小児科・婦人科においても日常的な疾患となっている.

6.思春期の骨量減少

著者: 榊原秀也 ,   北山玲子 ,   今井雄一

ページ範囲:P.334 - P.337

1 概 念

 骨量は2次性徴とともに増大して20歳代で最大量に達し,その後徐々に減少していく(図1).女性では初経後に骨量が増加し,閉経期に急激に減少する.そのうち,骨生成速度が最も早いのは12~15歳の間とされている1).永田ら2)も踵骨骨量は初経発来後2年以上経過後に急激に増加することを報告している.したがって,閉経後の骨粗鬆症に備えてこの時期に骨量を獲得しておくことが大切である.

 骨粗鬆症は「骨強度が低下し,骨折リスクが増加した状態」と定義される.骨粗鬆症の診断基準では,骨密度(BMD)がYAM(若年成人平均値)の80%以上のものを正常,70~80%のものを骨量減少,70%未満のものを骨粗鬆症としている.

7.低身長(小人症)

著者: 堀川玲子

ページ範囲:P.338 - P.343

1 概 念

 低身長は,同年齢児の標準に比しどのくらい身長が低いほうに偏倚しているかによって定義される.10年ごとに厚生労働省と文部科学省で発表される性別年齢別身長体重の全国統計における年齢別平均と標準偏差(SD)から,-2 SD未満の身長の場合を「低身長」と考える.-2 SDは2.3パーセンタイルに相当するため,小児人口の約2.3%の子供,すなわち100人に2人程度は低身長ということになる.このうち,高度の低身長や基礎疾患が明らかで,診療対象となるものを「低身長症」とし,低身長全体の約5%程度がこれに当たると考えられる.身長は,多因子によって規定されるが,80%は遺伝的要因によるが,残りの20%を規定する因子の異常により,重度の低身長から軽度の低身長まで,さまざまな成長障害をきたすことになる.最も多いのは体質性低身長および家族性低身長で,治療の対象とならない場合がほとんどである.

 乳児期早期は,成長ホルモンが不足していても栄養が十分であれば標準の成長をたどる.先天性遺伝性成長ホルモン欠損症では生後早期から成長障害が明らかとなるが,最も頻度の高い特発性成長ホルモン欠損症では,重症型でも身長-2 SDを下回るのは5歳ごろから,中等症では平均7歳ごろから下回る.

8.ターナー症候群

著者: 菅沼信彦 ,   亀田知美

ページ範囲:P.345 - P.349

1 概 念

 ターナー症候群(Turner's syndrome : TS)は,1938年,Henry Turnerが性腺発育不全を伴う低身長,翼状頸,外反肘などの特徴を持つ女性7例を新たな症候群として報告したことに始まる1).その後,染色体の解析が可能になり,1959年にこの疾患が性染色体の欠損(45,X)であることが判明した2).性染色体分析の研究が進み,後述するようにTSには多くの性染色体構造異常やモザイク例などのバリエーションが存在することが明らかとなった3).さらにTS症状の責任遺伝子として,成長障害およびTS骨格徴候のSHOX 4)などが同定され,短椀が完全欠失すればpairing failureのため性腺異形成,SHOX欠失のため低身長,骨格徴候を示すことが理解できるようになった.しかしながらいまだTSの定義にはあいまいさが残り,現時点では「X染色体欠損症が存在しTS徴候を認めるもの,あるいは徴候がなくても明らかな短椀欠失を認めるもの」とされるが,今後は,TSの臨床的特徴があり,核型レベルで欠失がなくても遺伝子レベルで欠失が証明されればTSの範疇に入れられるものと思われる.

9.副腎性器症候群

著者: 金澤理一郎 ,   細田容子 ,   小森慎二

ページ範囲:P.351 - P.355

1 概 念

 副腎のコルチゾール,アルドステロン合成に関与する酵素の先天的な欠損により,それらの副腎皮質ホルモンの分泌を維持するために二次的に脳下垂体の副腎皮質刺激ホルモンの分泌が過剰になり,中間産物のアンドロゲンの分泌が過剰になることにより引き起こされる先天性副腎皮質過形成(congenital adrenal hyperplasia : CAH)と後天性の副腎腫瘍(男性化 : virilizing adrenal tumor,女性化 : feminizing adrenal tumor)によるものがある.アンドロゲン過剰とコルチゾールとアルドステロン分泌不全により引き起こされる諸症状をさし,特に性器の分化異常をきたし,女児では外性器の男性化徴候を示し,男児では性早熟を示す1)

10.アンドロゲン不応症(精巣性女性化症候群)

著者: 白澤弘光 ,   熊谷仁 ,   寺田幸弘

ページ範囲:P.356 - P.359

1 概 念

 アンドロゲン不応症(androgen insensitivity syndrome : AIS)は,以前は精巣性女性化症候群(testicular feminization syndrome)といわれていた男性仮性半陰陽の1つである.現在はアンドロゲン受容体の遺伝的な異常に起因した病態であることがわかっており,アンドロゲン不応症といわれることが多い.全く男性化の認められない完全型と,部分的な男性化を伴う不完全型に分類される1).染色体が46,XYであるにもかかわらず表現型が女性であるAISでは,生物学的な性(sex)と社会的な性(gender)に乖離がみられ,その取り扱いには医療従事者の十分な病態の理解が必要である.

 完全型AISでは第2次性徴を経てから,原発性無月経を主訴に産婦人科を受診することが多い2, 3).その際に短く盲端に終わる腟,乏しい恥毛の発育,そして女性内性器の無形成などの所見で本症が疑われる.AISと診断された場合,悪性化のため精巣摘出を考慮する必要がある4).また,性腺摘出後はホルモン補充療法が必要になる.

11.性腺形成不全

著者: 堤治

ページ範囲:P.361 - P.365

1 概 念

 性腺形成不全は,胎生期の性腺分化に異常があり性腺形成が行われないか不完全な場合で,性腺分化に引き続くさまざまな性分化異常が認められる.表現型は女性であるが二次性徴の発達は遅れ,原発無月経を示す.広義にはターナー症候群も含まれるがXX性腺形成不全とXY性腺形成不全に大別される.

12.ざ瘡(ニキビ)

著者: 吉村浩太郎 ,   大須賀穣

ページ範囲:P.367 - P.371

1 概 念

 女性のニキビは主に思春期にみられると思われているが,仕事を持ちストレスの多い現代社会の女性では25歳以上でもニキビ(吹き出物)に悩まされている患者は非常に多い.ニキビはホルモンの影響が大きく,遺伝的な要因だけでなく,ストレス,食事(ダイエット)やエクササイズなど広く生活習慣の影響を受けるようになっている.こうしたニキビは対症的な治療では反復し,悪化して長期化すると肥厚性や凹凸を伴う瘢痕という後遺症を残す.ホルモン治療を行うことで,強力でより根本的な治療を行うことが可能である.

月経異常

1.原発無月経

著者: 峯岸敬

ページ範囲:P.373 - P.377

1 概 念

 原発無月経は先天的な卵巣や性管の発達異常または視床下部─下垂体─卵巣系の異常によると考えられる.定義的には18歳で無月経とするが,15歳で無月経であれば原因検索のための検査が必要になる.

2.続発無月経

著者: 楢原久司 ,   平川東望子 ,   宇津宮由布子 ,   岡本真実子

ページ範囲:P.379 - P.383

1 概 念

 月経は,卵巣から分泌される性ステロイドホルモンの消退によって起こる子宮内膜の剥脱性の出血をいう.視床下部─下垂体─卵巣─子宮の連関が正常に機能することによって,通常,25~35日ごとに周期的に繰り返され生じる.したがって,この連関のいずれかに障害があれば無月経となる1, 2).わが国の女性では,平均12歳で初経がみられるが,この初経が18歳になっても発来しない場合を原発性無月経といい,その多くは子宮や卵巣に先天的な異常がある(「原発無月経」の項参照).一方,続発無月経とは,これまであった月経が3か月以上停止したもの(妊娠中,産褥期,閉経後などの生理的無月経は除く)をいう.本稿では,続発無月経の分類,原因(誘因),病態,診断,および治療について概説する.

3.多嚢胞性卵巣症候群

著者: 久慈直昭 ,   小川誠司 ,   井上治 ,   福永朝子 ,   菅原かな ,   山田満稔 ,   浜谷敏生 ,   吉村𣳾典

ページ範囲:P.384 - P.389

1 概 念

 多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)は,生殖年齢女性の5~8%に認められ,本テーマである月経異常・不妊症の主要な原因を占めている1).本疾患は1935年にSteinとLeventhalが両側卵巣の多嚢胞状腫大・無月経・不妊の症例を初めて報告2)して以来,その疾患概念は排卵障害や男性化を中心としたものから,内分泌異常やインスリン抵抗性に起因する子宮体癌や心血管系疾患の罹患率上昇を含むようになり,大きく変化してきた.この変化に対応した新しい診断基準がESHRE/ASRAM(2003),日本産婦人科学会(2007)からそれぞれ発表されている.しかし,PCOSは一元的な病因論ではいまだ説明できるまでには至っておらず,今後さらなる分子レベルでの解明が期待されている.本稿ではこれまでの疾患概念および診断基準の変遷とともに,PCOSの治療,本疾患にもとづく不妊への対応などについて概説する.

4.機能性出血

著者: 可世木久幸

ページ範囲:P.390 - P.397

1 概 念

 最近,数年間の邦文産婦人科商業雑誌の特集を見た限りでは「機能性子宮出血」を表題として記載した総説は少ない.大部分は「月経異常」,または「不正出血」を表題とした総説のなかの一部に機能性出血を扱っている程度である1~4).そのなかにあって,機能性出血について比較的わかりやすくまとめた著書として社団法人日本産婦人科医会が発行した研修ノートNo. 73「不正性器出血」を挙げたい5).さらに,本年に入って日本産科婦人科学会誌に不正出血に関するわかりやすいチャートが掲載された6).本総説でも,これらの文献を参考にして記述を進めた.

 ところで,子宮出血を表す用語は数多くある(表1).このうち,周産期用語を除き,生理的な出血つまり月経以外の出血の総称が不正子宮出血である.不正子宮出血は主に機能性子宮出血と器質性子宮出血に分類される.一般的に,機能性子宮出血を言い表すためには器質性子宮出血の説明をしたほうがわかりやすい.つまり,器質性子宮出血とは悪性ないしは良性腫瘍,炎症または外傷による器質性変化が子宮に存在するために起きる出血である.これらの器質性疾患を認めない子宮からの出血を機能性子宮出血と定義する7).この定義では出血傾向をきたす内科疾患(血液疾患,肝疾患,薬物服用など)による出血も含まれる.

5.早発卵巣不全

著者: 田坂慶一

ページ範囲:P.398 - P.401

1 概 念

 一般女性に卵巣機能停止は40代後半から50代にかけて起こる.エストロゲン分泌の低下により約半数の人にほてりや腟乾燥感があらわれる.しかし,もっと早期の年齢でこのようなことが起こる場合がある.本病態を早発卵巣不全(premature ovarian failure : POF)という.40歳以下の女性の1%に,45歳以下の女性の5%に起こるといわれる.早期卵巣不全は一般に40歳未満での継続的月経の停止(4か月以上または6か月以上),高ゴナドトロピン,低エストロゲン状態と定義される1).従来,本病態を分けて早発閉経(Prematuremenopause,卵胞残存なし),ゴナドトロピン抵抗性卵巣(gonadotropin-resistant ovary,卵胞残存あり)の用語が用いられた2,3).しかし,診断のために卵巣生検を行い,卵,卵胞の有無を検討することの臨床的意義が疑問視されており,治療に反応するか否かで判断する方法がとられるようになった.したがって両者を合わせた用語としてのPOFの病名が使われるようになっている.なお本病名に関しては最近premature ovarian insufficiencyという用語が用いられることもある4).ここでは現時点で日本産科婦人科学会用語集に掲載されている,POFを用いておく.POFの年齢について諸国で定義が異なる.わが国では明確ではないが産婦人科用語集では「40歳未満での卵巣性無月経.本症には早発閉経とゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群の両者を含む」と規定されている.英国閉経学会では45歳としている.POFは早期のエストロゲン欠乏状態により,骨塩量低下,心血管系変化などが懸念され,ホルモン補充療法が必要であることはいうまでもない.稀ではあるが妊娠も報告されている(0.09~8.2%).

 本疾患は原因が必ずしも明確ではないが,挙児希望の有無も含めて患者生涯にかかわるトータルケアが必要である.

6.頻発月経

著者: 髙橋健太郎

ページ範囲:P.403 - P.407

1 概 念

 月経は約1か月の間隔で自発的に起こり,限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的な出血と定義されており,正常月経の月経周期日数は25~38日,その変動は±6日以内である1).この正常範囲を逸脱し,月経周期が24日以下という短いサイクルになることを頻発月経といい,月に2~3回も月経が起こる場合である.多くは20,21日の周期を取ることが多い.

 頻発月経は,排卵を伴っていない無排卵性頻発月経と排卵を伴う排卵性頻発月経に分類されるが(図1),無排卵性のものが多い.また,年齢,すなわち思春期,更年期,性成熟期により,臨床的意義,対処法が大いに異なる疾患である.

7.過多月経

著者: 南佐和子 ,   八木重孝 ,   井箟一彦

ページ範囲:P.408 - P.411

1 概 念

 月経とは「約1か月の間隔で起こり,限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」であると定義されている.一般に月経量は20~140 gで過多月経とされるのは140 g以上の出血量と判断される1).しかし,実際に測定されるわけではないため主観的な判断となる.英国のNational Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)のHeavy Menstrual Bleedingの診断と治療のガイドラインでは,月経量が多いことによって身体的,精神的および社会的にQOLが障害された場合に臨床的には過多月経と判断してよいとされている2).過多月経は過長月経を伴うことが多く月経困難症も伴うことが多い.

8.月経困難症

著者: 藤原浩

ページ範囲:P.413 - P.416

1 月経困難症とは

 月経期間中に月経に随伴して起こる下腹部痛,腰痛など骨盤部位を中心とした疼痛に加え,悪心,嘔気,頭痛,下痢,胃痛,乳房痛,めまい,精神不穏,食欲減退などの病的症状が社会生活を営むことが不可能なほど重度なものを月経困難症という.程度が軽いものを含めると女性の約半数が上記のうち何らかの症状を自覚しているとされ,5%は就床を要すると推測されている.月経困難症は機能性月経困難症と器質性月経困難症とに大きく分けられる.器質性月経困難症の原因となる疾患には子宮内膜症,子宮腺筋症,子宮筋腫,子宮頸管狭窄,子宮発育不全,子宮奇形などが挙げられる.これに対して器質的病変を認めない場合を機能性月経困難症という.一般に機能性月経困難症は初経発来後,早期から認められ加齢とともに軽快する症例が多く,一方で器質性月経困難症は通常20歳以上にみられ,特に30歳以降に増加してくる傾向が認められる.

9.月経前症候群(Premenstrual syndrome : PMS)

著者: 白土なほ子 ,   長塚正晃 ,   岡井崇

ページ範囲:P.418 - P.427

1 概 念

 1931年にFrankら1)が月経前に発症する多岐にわたる精神的,身体的症状を月経前緊張症(premenstrual tension : PMT)と称し報告し,1953年Greeneら2)がそれを月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)と呼んで以来,その病態・治療などについては種々の研究が進められてきた.1990年にはMortolaら3)がPMSの診断基準案(表1)を報告している.一方,アメリカ精神医学会の精神障害の診断と統計マニュアル第4版(DSM─IV)(表2)4)はPMSの重症型として月経前気分不快障害(premenstrual dysphoric disorder : PMDD)を研究用基準案として発表している.

 日本産科婦人科学会用語解説集5)では,PMSは「月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で,月経発来とともに減退ないし消失するもの」と示されており,近年症例報告も多くなされるようになった.対象症例の症状の消退については「月経発来とともに減退する」症例を含み,厳密には日産婦の定義「月経発来とともに消失するもの」よりもAmerican college of obstetricians and gynecologists(ACOG)practice bulletinのPMSの診断基準6)を用いていることが多い.ACOGのPMS診断基準はMortolaらの診断基準から作成されているが,この部分はMortolaの診断基準5の下記部分が除かれたものである.

10.高プロラクチン血症

著者: 高橋俊文 ,   網田光善 ,   倉智博久

ページ範囲:P.429 - P.435

1 概 念

 高プロラクチン血症(hyperprolactinemia : 高PRL血症)とは,血液中のプロラクチン(PRL)の値が正常範囲を超えて高値を示す場合をいう.血液中のPRL値が上昇すると,乳汁漏出や排卵障害が起こり,乳汁漏出性無月経を呈する.本稿では,PRLの生理作用について解説したのちに,高PRL血症の原因,症状,診断,治療法について述べる.

11.神経性食欲不振症

著者: 甲村弘子

ページ範囲:P.436 - P.441

1 概 念

 神経性食欲不振症(anorexia nervosa : AN)は拒食症,思春期やせ症ともいわれ,摂食障害の一型である.若年女性に好発し,ボディ・イメージの障害(自分は太っていると考えること),食物摂取の不良または拒否,体重減少を特徴とする.本症は,産業化された社会で食べ物が豊富にあり,女性にとってやせていることが魅力的とされる社会において多く見られる.患者は「食べられないこと」ではなく「無月経」などの身体症状で産婦人科を受診することが多い.

12.運動性無月経

著者: 甲村弘子

ページ範囲:P.443 - P.447

1 概 念

 近年スポーツが急速に普及するに伴って,激しい運動が生殖機能にさまざまな影響を及ぼすことが明らかになってきた.女子スポーツ選手では各種の月経異常をきたしやすいことが知られている.月経異常としては,(1)黄体機能不全,(2)無排卵周期症,(3)初経発来遅延,(4)続発無月経などがみられる.

13.肥満と月経異常

著者: 堂地勉

ページ範囲:P.448 - P.453

 月経異常の原因は多岐にわたる.やせほどではないにしろ肥満によっても無月経に陥る.そして適正な体重に戻す(減量する)と月経が再来することはしばしば経験される.また,初経発来が体重や体脂肪量と密接に関係していることも知られている.これらの事実は性機能が体重と密接に関係していることを示している.現在は飽食の時代である.エネルギーの過剰摂取や運動不足から肥満になりやすい.したがって,肥満と関連した月経異常は,現代生活に根ざした文明病といえるかもしれない.

 肥満は月経異常以外にも,高血圧症,糖尿病,高脂血症,動脈硬化症などの内分泌・代謝異常を伴いやすい.しかし肥満の程度とこれらの内分泌代謝異常の発生頻度や重症度は必ずしも相関しない.肥満が体脂肪組織の過剰な蓄積であると定義すれば,その蓄積量の絶対量(肥満度)よりも蓄積部位の異常(体脂肪分布の異常)が月経異常などの内分泌・代謝異常と関連して重要であることが明らかになりつつある.上半身型(内臓脂肪型)体脂肪分布は内臓(腸間膜や大網)に脂肪が過剰に蓄積し,下半身型体脂肪分布に比較して月経異常,高脂血症,糖尿病,高血圧症が多い1).上半身型体脂肪分布と関連するこれらの内分泌・代謝異常は,インスリン抵抗性(インスリンに対する感受性の低下)を共通の基盤として病因論的に密接に関連する疾患として認識されるようになっている.

14.Sheehan症候群

著者: 高橋慎治 ,   久保田俊郎

ページ範囲:P.454 - P.457

1 概 念

 Sheehan症候群は1937年に英国の病理組織学者Harold L. Sheehanが,その病理解剖所見から明らかにした内分泌疾患である1)

 分娩時の大出血によるショックに伴い,下垂体門脈系の梗塞が起こり,その結果下垂体細胞が障害されて下垂体機能不全を呈するものをいう.壊死は主に前葉の前下方に生じ,後葉機能不全は稀である.重篤な産科ショックの約15%に発症することが知られている2)

15.月経異常と漢方

著者: 赤松達也

ページ範囲:P.459 - P.463

1 概念と病因

 月経異常は婦人科を受診する患者の主訴の中で,不正性器出血,下腹部痛,挙児希望などと並び,最も多い愁訴の1つである.いい換えれば女性のQOLを損なう代表的な症候である.月経異常の種類には,(1)月経発来時期,(2)月経周期,(3)月経持続日数,(4)月経血量,(5)月経随伴症状,に大きく分けられる.月経異常をきたす原因として視床下部─下垂体─卵巣系の機能異常に基づく排卵障害,黄体機能障害,または卵巣自体の異常など内分泌学的に原因,障害部位が明らかなもの,子宮,腟の器質的病変によるもの,さらに機能性月経困難など器質的病変のないものがある.また症候的には不妊症から神経性食思不振症(摂食障害)までさまざまであり,月経異常を一律に扱うことは難しい.いずれにしても月経異常の原因は排卵の有無により大きく左右される.まずは現代医学的検査により月経異常の原因を究明し,治療を行うことが当然であり前提である.しかし月経異常は日常の臨床の場でその対応に苦慮することの多い症候でもある.というのも月経異常は生殖器の器質的な原因から起こるのにとどまらず,ほかの臓器系や心因などもその原因となりうるため,月経異常を取り扱う際には常に全人的医療という意識が求められることがある.卵巣機能のすべてが明らかでない現在,個人の全身状態を観察して,その根底にある異常を改善することによる漢方療法も意義ある方法と考える.現代医学,例えばホルモン療法など以外に漢方療法が奏効する症例がある.実際に月経異常に対する漢方療法は,月経周期の異常,月経随伴症状に関するものが多く,発来時期,持続日数,経血量については少ない.本稿では排卵障害・不妊症,月経困難症に漢方療法で良好な結果を得た自験例を基軸に,月経異常への漢方治療の実際を示す.

不妊・避妊

1.視床下部・下垂体性排卵障害

著者: 木内理世 ,   松崎利也 ,   苛原稔

ページ範囲:P.465 - P.473

1 概 念

 月経周期は視床下部─下垂体─卵巣の協調的な作用により調節されている.中枢では視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が分泌され,その刺激により下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)が分泌される.一方,卵巣ではLH,FSHの作用で卵胞発育と排卵が起き,女性ホルモンなどが分泌される.卵巣由来のホルモンは中枢へのフィードバックシグナルとなり,GnRHやLH,FSHの分泌に影響を与える.このような協調作用が,視床下部,下垂体,卵巣のいずれのレベルで異常をきたしても排卵は障害され,無月経,不正性器出血,不妊症などの原因となる.

 排卵障害は不妊原因の約25~30%を占め,原因疾患の病態に応じた排卵誘発治療を施行する必要がある.また,妊娠を希望しない時期には,月経異常に対するホルモン療法が必要となる.本稿では,続発性無月経の原因の約7割を占める視床下部・下垂体性排卵障害について解説する.

2.卵巣性排卵障害

著者: 齊藤寿一郎 ,   石塚文平

ページ範囲:P.475 - P.477

1 概 念

 正常な月経周期は,視床下部─下垂体─卵巣系の内分泌,各種のホルモンの相互作用によって形成されている.このうち中枢性や卵巣性に問題が生じて卵胞が発育しないと排卵障害が起こり月経異常や不妊症を招く.不妊症の原因の約半数は女性側の因子であり,なかでも排卵障害は大きな位置を占めている.

 卵巣性排卵障害とは卵巣がゴナドトロピンに反応しないために起こる排卵障害である.卵胞発育が起こらずLH,FSHがともに高値を示す高ゴナドトロピン性卵巣機能不全となるため診断は比較的容易である.

3.黄体機能不全

著者: 杉野法広

ページ範囲:P.479 - P.487

1 概 念

 黄体機能不全とは,黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌不全により,子宮内膜の分泌性変化が完全に起こらないものと定義されている.しかし,実際には黄体からのホルモン分泌に異常がなくても子宮内膜の変化に異常がある場合もあり,子宮内膜自体の異常も含めて黄体機能不全を取り扱っているのが現状である.したがって黄体機能不全(luteal phase defect)とは,黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌不全によって引き起こされる着床障害,または分泌期子宮内膜自体の異常によってひき起こされる着床障害と考えられる.

4.子宮内膜症合併不妊―エビデンスにもとづく診断と治療

著者: 出浦伊万里 ,   原田省

ページ範囲:P.489 - P.493

 子宮内膜症は生殖年齢女性のおよそ10%に発生し,疼痛および不妊を主症状とする疾患である.子宮内膜症患者の30~50%は不妊症を合併するといわれているが,その治療方針についていまだコンセンサスは得られていない.

 本稿では,これまでに得られているエビデンスをもとに,子宮内膜症合併不妊の診断と治療ついて解説する.

5.乏精子・無精子症(男性不妊)

著者: 今本敬 ,   市川智彦

ページ範囲:P.494 - P.499

1 概 念

 少子高齢化社会を迎え,不妊症治療の必要性がこれまで以上に高まっている.不妊症の原因には,妻とともに夫の要因もあり,不妊カップルで夫の異常を認めるものは約半数あり,その半数は妻の異常も伴うとされている.このように男性不妊症は不妊原因の約半数を占めるわけであるが,その過半数を占める特発性精子形成障害の病因,病態がほとんど不明であることにもより,これまでの男性不妊症の治療成績は決してよいといえるものではなかった.

 このような状況の中で,近年の補助生殖技術(assisted reproductive technology : ART)の飛躍的な進歩が男性不妊症の治療に大きな変革をもたらした.例えば,前述の特発性精子形成障害症例においても精巣内精子採取術(testicular sperm extraction : TESE)により精子を少数でも採取できれば,卵細胞質内精子注入法(intracytoplasmic sperm injection : ICSI)を用いることで受精,ひいては挙児が可能となった.

6.月経時期変更法

著者: 対馬ルリ子

ページ範囲:P.500 - P.503

1 月経調節の概念

 月経とは,周期的に繰り返され,かつ限られた日数で自然に終わる子宮からの出血である1).卵巣が排卵を起こして妊娠の可能性が生じると,子宮内膜は妊娠の準備に入る.しかし着床しなければ,子宮内膜はじきに剥がれおちて血液と一緒に排泄される.これが月経である.したがって,月経とは,妊娠の準備をしたが妊娠が成立しなかったときに起こる子宮内膜の“お掃除”といえる.

 脳下垂体から分泌されるゴナドトロピン,FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)は卵巣を刺激し卵胞発育や排卵を促すが,成熟した卵胞から出されるエストロゲン情報によって,LHサージが引き起こされ排卵の引き金となる(ポジティブフィードバック).排卵が起きると,ほぼ2週間で退縮する黄体の影響を受けて,子宮内膜は分泌期を経て剥脱する.これが月経である.

7.低用量経口避妊薬

著者: 北村邦夫

ページ範囲:P.504 - P.509

1 低用量経口避妊薬とは何か

 わが国で承認されている経口避妊薬(oral contraceptives : OC)はエストロゲン(estrogen)とプロゲストーゲン(progestogen)の配合剤である(図1).月経周期を28日とするために,21錠のホルモン製剤と7錠のプラセボあるいは7日間の休薬を1クールとして服用を継続していくことで避妊を可能にする.米国では1960年に承認されたが,わが国はそれから40年を経た1999年6月承認,9月に発売された.

 発売当初はOC処方前に煩雑な検査が課されていたが,06年に日本産科婦人科学会編として「低用量経口避妊薬(OC)の使用に関するガイドライン(改訂版)」(以下「ガイドライン」)1)が制定されたことによりOCが一段と普及した.

8.緊急避妊法

著者: 北村邦夫

ページ範囲:P.511 - P.515

1 緊急避妊法とは何か

 緊急避妊法(emergency contraception : EC)とは,避妊しなかった,避妊に失敗した,レイプされたなどに引き続いて起こる危険性の高い妊娠を回避するために利用する最後の避妊手段である.

 わが国では「医師の判断と責任」によって,ECとしてホルモン配合剤(ノルゲストレル+エチニルエストラジオール)(表1)あるいは銅付加子宮内避妊具(copper-bearing intrauterine device : Cu─IUD)が長年にわたって利用されてきたが,世界で最も普及している緊急避妊ピル(emergency contraceptive pills : ECP)であるレボノルゲストレル(levonorgestrel : LNG)単剤「ノルレボ®錠」がわが国においても2011年2月23日に承認された.

9.IUD

著者: 閨谷奈津子 ,   高木弘明 ,   笹川寿之 ,   牧野田知

ページ範囲:P.517 - P.520

1 概 念

 1. 子宮内避妊器具(intrauterine device : IUD)とは

 IUDとは子宮内に挿入する合成樹脂製の器具を言い,受精卵の着床を防ぎ妊娠を防止する作用がある.当初は単純な合成樹脂製の非活性型が中心であったが,最近は銅イオンの着床阻害作用を利用した銅付加型や排卵抑制作用を持つプロゲストーゲンであるレボノルゲストレル(LNG)付加型などの活性型があり,おのおのの妊娠率は銅付加型で0.6~0.8%,LNG付加型で0.2%とされている.経口避妊薬(ピル : OC)での飲み忘れの可能性を考慮すると,一般的な使用の場合では経口避妊薬より高い避妊効果を有するとされている(表1 1)).IUDの利点は一度挿入するとその後特別な処置を必要とせず避妊効果が継続することである.活性型の場合,銅やLNGの効果がなくなっても,少なくとも非活性型としての効果は維持される.逆に欠点としては医師が挿入しなければならない,下腹部痛,月経血の増加や月経期間の延長,自然脱出などがある(表2).

更年期・老年期

1.更年期障害

著者: 髙松潔 ,   小川真里子

ページ範囲:P.523 - P.530

 簡易生命表によれば,2009年の日本人女性の平均寿命は86.44歳,ここ25年間も世界一の長寿を誇っており,現代の日本人女性は人生の3分の1以上を閉経後として過ごすことになる.つまり,更年期の時期は女性のライフサイクルのなかで折り返し地点に過ぎず,この時期のヘルスケアは人生の後半におけるQOLの維持・向上に重要な意味をもつ.この時期に生じる退行期疾患として,脂質異常症,骨粗鬆症などと並んで更年期障害は重要な病態であり,特に自覚症状を有するためQOLにも直接関係する.一方,更年期障害の要因としては閉経に伴うエストロゲンの消退が最も重要であることは間違いなく,内分泌学的にエストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)は理にかなった治療法であるといえる.そこで本稿では更年期障害の実際とその治療法としてのHRTについて概説する.

2.更年期のうつ

著者: 後山尚久

ページ範囲:P.531 - P.535

 女性をライフサイクルから眺めると,閉経周辺期はさまざまな身体内外環境の変動,老年期の入り口であるという心理的行動(基本的には退行的,守備的)を基本として,現実的な多様なストレスへの認知や処理の方向性に歪みが生じ,心身への大きな影響が不定愁訴の形で表在化する.症例によっては各種の精神障害の発生もみられる1).閉経についてnegativeな姿勢の更年期女性はpositiveな姿勢の女性の約1.4倍存在し,そのような女性は抑うつ気分や不安定な情緒,焦燥感などの精神症状を起こしやすいことが報告されている2).更年期女性の不定愁訴は,一般には更年期障害として扱われることが多いが,ホルモン変動の度合や社会的立場の違い,個人的な気晴し手段(Coping style)の有無によって重症度はさまざまであるといわれる3).重症例には,抑うつ気分がきわめて強いものもあり,うつ病との鑑別診断が必要となる.

 本稿では,更年期女性のうつ病,うつ状態の診療に際し,その対処,治療の実際面に関して解説する.

3.更年期出血

著者: 望月善子

ページ範囲:P.536 - P.539

1 概 念

 日本産科婦人科学会の用語集には,更年期出血の定義はないが,「更年期」におけるすべての出血を更年期出血と考えてよい.更年期とは,性成熟期から老年期への移行期に当たる.加齢とともに卵巣機能が衰退し,月経不順から永久的な月経の停止,すなわち閉経に至るが,この閉経をはさんだ約10年間をいう1).わが国の女性の自然閉経年齢の中央値は50.5歳であるので,個人差は大きいもののおおよそ45~55歳ぐらいまでが「更年期」となる.更年期出血には,卵巣機能の不安定さからくる機能性出血や悪性腫瘍などの器質的疾患が原因となる出血,そして萎縮性変化に伴う出血など,非常に多彩である.

 月経と分娩・産褥期の出血は生理的な出血であるが,それ以外はすべて非生理的な出血であり,不正出血(不正性器出血)といえる.したがって,更年期出血のほとんどは不正出血の範疇に入る.不正出血は子宮からの出血だけでなく,腟や外陰部,肛門,尿路も原因臓器となる.表1に不正出血を引き起こすと想定される器質的疾患をあげる.Novak's Gynecologyによると,不正出血の頻度は閉経周辺期では無排卵性出血,子宮筋腫,子宮頸管および内膜ポリープ,甲状腺異常の順であり,閉経後では外因性ホルモン使用,子宮内膜癌を含めた子宮内膜病変,萎縮性腟炎,外陰部・腟・子宮頸部の腫瘍の順である2)

4.骨粗鬆症

著者: 水沼英樹

ページ範囲:P.540 - P.543

1 疾患概念

 骨粗鬆症は「骨強度の低下によって骨折のリスクが増加しやすいことを特徴的とする骨疾患」と定義される1).骨粗鬆症は多因子疾患であり,遺伝的要因および生活習慣がその発症に大きく影響している.本症は明らかな基礎疾患がありそれにより発症している続発性骨粗鬆症,および原因が明確でない原発性骨粗鬆症に区別される.原発性骨粗鬆症はさらに特発性,若年性,および退行期骨粗鬆症に亜分類される.以前は50歳代から70歳ぐらいまでの閉経後女性の骨の高代謝回転を背景に持つ骨粗鬆症を閉経後骨粗鬆症,また,70歳以上の男女に生じる低代謝回転骨粗鬆症を老人性骨粗鬆症として漠然と区別していたが,高齢女性においても骨代謝マーカーの持続高値を伴う骨量減少が生じていることから,最近では閉経後女性に生じるものをすべて閉経後骨粗鬆症と呼ぶようになっている2).また,骨粗鬆症は内分泌代謝疾患でありその臨床像には多彩な合併症を伴うので全身疾患として捉えることが重要である(図1).

5.脂質異常症

著者: 若槻明彦

ページ範囲:P.545 - P.549

1 概 念

 脂質異常症とは血中のLDLコレステロール(LDL─C)や中性脂肪(TG)が高値,あるいはHDLコレステロール(HDL─C)が低値の場合をさす.脂質代謝異常から動脈硬化への進展機序としては以下の3点が考えられる.

 1)高LDL血症 : 肝から産生されたVLDLはIDLからLDLに変化する.LDLは肝のLDL受容体から取り込まれ,血中濃度が維持されているが,血中に過剰に蓄積すると,血管内皮下に侵入し,活性酸素により酸化変性される.酸化LDLはマクロファージに一方的に貧食され,最終的には泡沫細胞を形成して粥状硬化へと進展する.したがって,血中にLDLが蓄積すると,冠動脈疾患や脳卒中などのリスクが増加する.

6.高血圧

著者: 河野宏明

ページ範囲:P.550 - P.555

 欧米において,虚血性心疾患は死因の第一位を占めている.わが国でも,社会の高齢化と生活習慣の欧米化に伴い虚血性心疾患が増加している.日本人における虚血性心疾患の第一の危険因子は高血圧であり,血圧のコントロールは虚血性心疾患の一次および二次予防に大きく貢献する.まず行うべきは生活習慣の改善指導であり,これのみで不十分な場合に薬物治療を考慮すべきである.高血圧患者の場合,ほかの臓器障害も合併していることがある.したがって,個々の患者状態に応じた薬剤選択および容量設定が必要である.

7.糖尿病

著者: 小林高明 ,   小田原雅人

ページ範囲:P.557 - P.561

1 概 念

 糖尿病は,膵臓のランゲルハンス島β細胞のインスリン分泌低下およびインスリンの標的組織における作用障害によってもたらされる,慢性高血糖状態を主徴とする代謝症候群である.

8.甲状腺機能異常

著者: 下平和久

ページ範囲:P.562 - P.567

1 概 念

 閉経前後の婦人が,発汗,肩こり,不眠,不安・焦燥感などを訴え,更年期障害を疑って婦人科外来を受診することは日常診療で普通に遭遇する事象である.この場合,問診のみでただちに更年期障害と診断し,その日のうちにホルモン補充療法(HRT)あるいは漢方治療を開始することを,患者側から強く求められることが多い.しかしながら,「更年期障害の診断」は,ある意味除外診断であり,鑑別すべき疾患には,各種内分泌疾患,精神神経疾患などが含まれている.このなかでも特に,甲状腺機能異常はかなりの有病者数があるにもかかわらず(わが国の甲状腺疾患有病者数は約500万人),発見に至らないことが多い疾患であると考えられる.

 問診のみでHRTや漢方療法を開始し,治療に抵抗する場合に初めて甲状腺機能検査を行うのではなく,更年期障害や月経異常患者の初診時のシステマチックな検査の一環として甲状腺機能スクリーニングを施行すべきと考える.

9.老人性腟炎

著者: 牧田和也 ,   平沢晃 ,   青木大輔

ページ範囲:P.568 - P.571

1 概 念

 エストロゲンの長期にわたる分泌低下に起因して発生する,腟粘膜や外陰部の萎縮を主体とする非特異性の炎症性疾患である.別名,萎縮性腟炎とも呼ばれており,婦人科一般外来で比較的遭遇する機会の多い疾患である.

10.外陰掻痒症

著者: 岡野浩哉

ページ範囲:P.572 - P.577

1 概 念1~4)

 掻痒症は外陰部疾患の最も多い症状であるにもかかわらず,真の有病率・罹患率は不明できちんとした調査も行われていない.また,一般的に教科書といわれる類の書物においても,外陰掻痒症として項目を立てているものは少ない.その理由として『外陰部掻痒症という言葉は,症状・病徴をさすものであって疾患名を示すものではない』ということが挙げられる.一般的には各疾患,例えば「外陰カンジダ症」の症状として掻痒(pruritus/itch)という言葉が使われるにすぎない.本稿でもその点からほかの項目の「疾患」とは同様に解説できないことをはじめにお断りする.

 そのため,外陰掻痒症に対応する世界的に一致した定義はない.あえて言えば『掻痒を感ずるskin condition』が該当する.このskin conditionは目に見える皮膚変化として現れる場合もあれば,ほとんど視診上変化がない場合もある.ちなみに『掻痒(itch)』は,1660年にSamuel Hefrenrefferが“an unpleasant sensation provoking the desire to scratch”と最初に定義した.

11.排尿障害

著者: 角俊幸 ,   福田武史 ,   石河修

ページ範囲:P.578 - P.583

1 概 念

 排尿障害とは症状症候群であり,正式には下部尿路症状(lower urinary tract symptoms : LUTS)といわれ,蓄尿症状,排尿症状,排尿後症状の3つに大別される(図1).このなかで,一般産婦人科医がしばしば遭遇するのが蓄尿症状である.蓄尿症状には,頻尿,尿意切迫感,尿失禁などの症状が含まれる.これらはあくまでも症状であって,疾患とは区別される.

 蓄尿症状を呈する疾患は,尿失禁,過活動膀胱が挙げられる(図1).過活動膀胱(overactive bladder : OAB)とは,2002年に国際禁制学会(International Continence Society : ICS)による「下部尿路機能の用語の標準化」により提唱されたもので,「尿意切迫感を必須とした症状症候群であり,通常は頻尿と夜間頻尿を伴うものである.切迫性尿失禁は必須ではない」と定義されている.

腫瘍・類腫瘍

1.子宮筋腫

著者: 石川博士 ,   生水真紀夫

ページ範囲:P.585 - P.589

1 概 念

 子宮筋腫は,子宮平滑筋細胞の単クローン性増生による良性腫瘍である.生殖年齢の女性に発生し,月経過多や過長月経/不正出血などの月経異常・頻尿や便秘など臓器圧迫による症状・下腹部痛や腰痛あるいは月経痛などの疼痛症状などをきたす.子宮筋腫に対する治療はこれらの症状を改善する目的で行う.不妊の原因であることが疑われる筋腫や悪性腫瘍の否定ができない筋腫も治療の対象となる.

 手術療法には子宮全摘術と筋腫核出術があり,アプローチ方法には開腹・腟式・腹腔鏡・子宮鏡などがある.また,筋腫の縮小を目的とした子宮動脈塞栓療法(uterine artery embolization : UAE)やMRガイド下集束超音波法(magnetic resonance-guided focused ultrasonography : MRgFUS)も行われることがある.GnRHアゴニスト(GnRHa)は,副作用の面から長期投与が認められていない.

2.子宮腺筋症

著者: 中熊正仁 ,   森田峰人

ページ範囲:P.591 - P.595

1 概 念

 子宮腺筋症(adenomyosis)は,子宮筋層内に異所性子宮内膜組織を認める場合に用いる疾患名で,病巣組織が子宮内腔または子宮筋層以外の部位で発生・発育する子宮内膜症(endometriosis)とは区別して取り扱われる.しかし,両疾患の病理学的な識別は困難で,臨床経過や症状などの共通点も多いことから類縁疾患として取り扱われている.

 子宮腺筋症は,病巣の進展とともに子宮体積の増加や子宮内腔の伸展・変形が生じることから,子宮内膜症単独よりもさらに強い月経困難症状や慢性骨盤痛,過多月経が起こる.このため,罹患した女性のQOLを著しく低下させる腫瘍性疾患で,近年では子宮体癌の発生も懸念されている.

3.子宮体癌の内分泌療法

著者: 保坂昌芳 ,   渡利英道 ,   櫻木範明

ページ範囲:P.597 - P.601

 子宮体癌の主治療は手術療法であり,単純子宮全摘出術+両側付属器摘出術+骨盤・傍大動脈リンパ節郭清あるいは生検が推奨されている.摘出物病理所見に基づき進行期が決定され,再発リスクを勘案して再発中リスクあるいは高リスク症例に対して補助療法として化学療法あるいは放射線療法を施行する.子宮体癌に対する内分泌療法としては高用量黄体ホルモン療法が行われるが,初回治療として高用量黄体ホルモン療法が選択されるのは,妊孕性温存を強く希望する40歳未満の若年子宮体癌症例が中心となる.内分泌療法は再発症例に対しても選択される場合があり,手術療法,化学療法あるいは放射線療法が適応とならない場合でプロゲステロン受容体陽性例に用いられることがある.

 本稿においては若年子宮体癌に対する妊孕性温存療法としての高用量黄体ホルモン療法について自験例を交えて解説する.

4.卵巣の機能性嚢胞・類腫瘍

著者: 小倉寛則 ,   古井辰郎 ,   森重健一郎

ページ範囲:P.603 - P.607

 卵巣の類腫瘍とは卵巣が嚢胞状に腫大しているが真の腫瘍でないものと考えられる.この稿ではその中でも日常診療でよくみかける機能性嚢胞,多嚢胞性卵巣症候群,子宮内膜症性嚢胞について述べる.

5.乳腺症

著者: 坂井威彦 ,   岩瀬拓士

ページ範囲:P.608 - P.611

1 概 念

 乳腺症(mastopathy)とは,痛みや硬結などを主訴とする,乳腺の良性疾患に対して用いられる言葉である.欧米ではfibrocystic disease,mammary dysplasiaなどといわれてきた.しかし,従来疾患として捉えられていた状態は,乳腺の正常な発達と退縮からの逸脱であるという概念の出現により1),欧米の成書では乳腺症を1つの疾患として扱うことはなく,それに対応する用語も使用されなくなった.日本では,“乳腺症”という用語が,医療者,患者一般にも広く知られている.定義があいまいであるため,臨床症状や画像所見,病理組織所見に対して使われる以外に,保険病名として用いられることもある.現在“乳腺症”は疾患名ではなく,正常な発育と退縮からの逸脱であるという概念に基づいた,乳房の多岐にわたる良性(正常)の状態を表す用語として用いられている.

6.乳癌

著者: 中村清吾

ページ範囲:P.612 - P.617

1 概 念

 乳癌の60~70%は,女性ホルモンの刺激で活発に増殖するため,エストロゲン,プロゲステロンという女性ホルモンの受容体(レセプター)を持っている場合は,その接着する場所をふさぐ働きをする抗女性ホルモン剤(タモキシフェン)や,エストロゲンの産生そのものを抑える薬を治療薬として用いる.

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投稿規定

ページ範囲:P.622 - P.622

著作権譲渡同意書

ページ範囲:P.623 - P.623

バックナンバー

ページ範囲:P.625 - P.625

アンケート用紙

ページ範囲:P.626 - P.626

次号予告

ページ範囲:P.627 - P.627

編集後記

著者: 神崎秀陽

ページ範囲:P.628 - P.628

 通勤電車に乗ると,必ずといってもいいほど,携帯端末を操作している人が目に入ります.仕事場はもとより,自宅でインターネットを使わない人は例外的とさえいえますし,フェイスブックによる情報交流には閉鎖的な独裁国家での革命を引き起こすまでの力があります.各種ホームページからの情報やウィキペディアなどをコピー&ペーストして提出レポートとする学生がいるため,教師向けにそれを検出するソフトウェアまで売り出されているようです.手書きあるいはタイプライターで論文を書いていた世代の私にとっては,近年のすさまじい情報電子化のスピード,その伝達手段の多様化についていくのは大変です.今年から,大学の一部会議もペーパーレスとなり,資料をi─Padで見ながら協議していますが,最初は違和感があったものの,最近ではなかなか便利なものと思えてきました.

 電子書籍が普及する以前から,新聞はもとより定期雑誌の発刊部数は押しなべて減少してきており,本誌を含めた医学雑誌も例外ではなく,10年前と比べると30%以上も減っているようです.直接手に取らなくとも,あるいは図書館へ行かなくとも,コンピューター端末から文献検索で必要論文のリストを作成し,司書に電話やメールで依頼すればダウンロードされた論文が手に入りますので,大学図書館の構造も変わりつつあります.本誌も大学や病院の図書館,医局,医院などでは定期購読されているものの,個人での購入に単発が多いことは,特集テーマごとに購入部数にかなりの差があることからもわかります.一方特集号であっても,この増大号のような系統的・網羅的な内容で書籍に近い内容のものでは,書籍同様に部数の減少はみられないようです.この情報電子化時代において,医学雑誌にどのような役割が期待されているかを十分考えて,編集方針や発刊形態の変更を検討する時期が来ているように感じます.

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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73巻9号(2019年9月発行)

今月の臨床 産科危機的出血のベストマネジメント―知っておくべき最新の対応策

73巻8号(2019年8月発行)

今月の臨床 産婦人科で漢方を使いこなす!―漢方診療の新しい潮流をふまえて

73巻7号(2019年7月発行)

今月の臨床 卵巣刺激・排卵誘発のすべて―どんな症例に,どのように行うのか

73巻6号(2019年6月発行)

今月の臨床 多胎管理のここがポイント―TTTSとその周辺

73巻5号(2019年5月発行)

今月の臨床 妊婦の腫瘍性疾患の管理―見つけたらどう対応するか

73巻4号(2019年4月発行)

増刊号 産婦人科救急・当直対応マニュアル

73巻3号(2019年4月発行)

今月の臨床 いまさら聞けない 体外受精法と胚培養の基礎知識

73巻2号(2019年3月発行)

今月の臨床 NIPT新時代の幕開け―検査の実際と将来展望

73巻1号(2019年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 エキスパートに学ぶ 女性骨盤底疾患のすべて

72巻12号(2018年12月発行)

今月の臨床 女性のアンチエイジング─老化のメカニズムから予防・対処法まで

72巻11号(2018年11月発行)

今月の臨床 男性不妊アップデート─ARTをする前に知っておきたい基礎知識

72巻10号(2018年10月発行)

今月の臨床 糖代謝異常合併妊娠のベストマネジメント─成因から管理法,母児の予後まで

72巻9号(2018年9月発行)

今月の臨床 症例検討会で突っ込まれないための“実践的”婦人科画像の読み方

72巻8号(2018年8月発行)

今月の臨床 スペシャリストに聞く 産婦人科でのアレルギー対応法

72巻7号(2018年7月発行)

今月の臨床 完全マスター! 妊娠高血圧症候群─PIHからHDPへ

72巻6号(2018年6月発行)

今月の臨床 がん免疫療法の新展開─「知らない」ではすまない今のトレンド

72巻5号(2018年5月発行)

今月の臨床 精子・卵子保存法の現在─「産む」選択肢をあきらめないために

72巻4号(2018年4月発行)

増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド─いまのトレンドを逃さずチェック!

72巻3号(2018年4月発行)

今月の臨床 ここが知りたい! 早産の予知・予防の最前線

72巻2号(2018年3月発行)

今月の臨床 ホルモン補充療法ベストプラクティス─いつから始める? いつまで続ける? 何に注意する?

72巻1号(2018年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 産婦人科感染症の診断・管理─その秘訣とピットフォール

71巻12号(2017年12月発行)

今月の臨床 あなたと患者を守る! 産婦人科診療に必要な法律・訴訟の知識

71巻11号(2017年11月発行)

今月の臨床 遺伝子診療の最前線─着床前,胎児から婦人科がんまで

71巻10号(2017年10月発行)

今月の臨床 最新! 婦人科がん薬物療法─化学療法薬から分子標的薬・免疫療法薬まで

71巻9号(2017年9月発行)

今月の臨床 着床不全・流産をいかに防ぐか─PGS時代の不妊・不育症診療ストラテジー

71巻8号(2017年8月発行)

今月の臨床 「産婦人科診療ガイドライン─産科編 2017」の新規項目と改正点

71巻7号(2017年7月発行)

今月の臨床 若年女性のスポーツ障害へのトータルヘルスケア─こんなときどうする?

71巻6号(2017年6月発行)

今月の臨床 周産期メンタルヘルスケアの最前線─ハイリスク妊産婦管理加算を見据えた対応をめざして

71巻5号(2017年5月発行)

今月の臨床 万能幹細胞・幹細胞とゲノム編集─再生医療の進歩が医療を変える

71巻4号(2017年4月発行)

増刊号 産婦人科画像診断トレーニング─この所見をどう読むか?

71巻3号(2017年4月発行)

今月の臨床 婦人科がん低侵襲治療の現状と展望〈特別付録web動画〉

71巻2号(2017年3月発行)

今月の臨床 産科麻酔パーフェクトガイド

71巻1号(2017年1月発行)

合併増大号 今月の臨床 性ステロイドホルモン研究の最前線と臨床応用

69巻12号(2015年12月発行)

今月の臨床 婦人科がん診療を支えるトータルマネジメント─各領域のエキスパートに聞く

69巻11号(2015年11月発行)

今月の臨床 婦人科腹腔鏡手術の進歩と“落とし穴”

69巻10号(2015年10月発行)

今月の臨床 婦人科疾患の妊娠・産褥期マネジメント

69巻9号(2015年9月発行)

今月の臨床 がん妊孕性温存治療の適応と注意点─腫瘍学と生殖医学の接点

69巻8号(2015年8月発行)

今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望

69巻7号(2015年7月発行)

今月の臨床 専攻医必読─基礎から学ぶ周産期超音波診断のポイント

69巻6号(2015年6月発行)

今月の臨床 産婦人科医必読─乳がん予防と検診Up to date

69巻5号(2015年5月発行)

今月の臨床 月経異常・不妊症の診断力を磨く

69巻4号(2015年4月発行)

増刊号 妊婦健診のすべて─週数別・大事なことを見逃さないためのチェックポイント

69巻3号(2015年4月発行)

今月の臨床 早産の予知・予防の新たな展開

69巻2号(2015年3月発行)

今月の臨床 総合診療における産婦人科医の役割─あらゆるライフステージにある女性へのヘルスケア

69巻1号(2015年1月発行)

今月の臨床 ゲノム時代の婦人科がん診療を展望する─がんの個性に応じたpersonalizationへの道

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