文献詳細
今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント
思春期
文献概要
1 概 念
摂食障害(eating disorder : ED)とは,不安やストレスを心で感じ解決する代わりに「食べる」「食べない」のこだわりに置き換え,食行動異常により発散する精神疾患である.思春期女性に好発し,肥満恐怖を伴う食行動異常を主症状とし,慢性に経過する難治性疾患である.EDは大きく,病的なやせのある神経性食欲不振症(anorexia nervosa : AN)とそうでない神経性過食症(bulimia nervosa : BN)に大別される.発症年齢のピークはAN : 12~18歳,BN : 15~22歳と,BNはANよりやや遅れて発症する.発症年齢は低年齢化し,近年のAN患者の25%は15歳未満である.思春期のEDではBNは少なく,制限型のAN(思春期やせ症)が多いといわれている.よって本稿ではANについて解説する.近年の社会文化的環境の変化を背景にして患者数は増加している.内科・小児科・婦人科においても日常的な疾患となっている.
摂食障害(eating disorder : ED)とは,不安やストレスを心で感じ解決する代わりに「食べる」「食べない」のこだわりに置き換え,食行動異常により発散する精神疾患である.思春期女性に好発し,肥満恐怖を伴う食行動異常を主症状とし,慢性に経過する難治性疾患である.EDは大きく,病的なやせのある神経性食欲不振症(anorexia nervosa : AN)とそうでない神経性過食症(bulimia nervosa : BN)に大別される.発症年齢のピークはAN : 12~18歳,BN : 15~22歳と,BNはANよりやや遅れて発症する.発症年齢は低年齢化し,近年のAN患者の25%は15歳未満である.思春期のEDではBNは少なく,制限型のAN(思春期やせ症)が多いといわれている.よって本稿ではANについて解説する.近年の社会文化的環境の変化を背景にして患者数は増加している.内科・小児科・婦人科においても日常的な疾患となっている.
参考文献
1) 戸田稔子,河野美江 : 産婦人科診療における摂食障害患者.思春期学18 : 372─376,2000
2) 戸田稔子 : 思春期診療からみた母と子のメンタルヘルス─摂食障害を中心に.島根母性衛生学会雑誌14 : 37─41,2010
3) 社団法人日本産婦人科医会 : 女性健康外来─ライフサイクルと診療.研修ノート79 : 48─49,2007
4) 徳村光昭 : 学校健康診断における早期発見.思春期やせ症の診断と治療ガイド(厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)思春期やせ症と思春期の不健康やせの実態把握および対策に関する研究班,編).pp38─41,文光堂,2005
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