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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻4号

2011年04月発行

今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント

月経異常

2.続発無月経

著者: 楢原久司1 平川東望子1 宇津宮由布子1 岡本真実子1

所属機関: 1大分大学医学部産科婦人科

ページ範囲:P.379 - P.383

文献概要

1 概 念

 月経は,卵巣から分泌される性ステロイドホルモンの消退によって起こる子宮内膜の剥脱性の出血をいう.視床下部─下垂体─卵巣─子宮の連関が正常に機能することによって,通常,25~35日ごとに周期的に繰り返され生じる.したがって,この連関のいずれかに障害があれば無月経となる1, 2).わが国の女性では,平均12歳で初経がみられるが,この初経が18歳になっても発来しない場合を原発性無月経といい,その多くは子宮や卵巣に先天的な異常がある(「原発無月経」の項参照).一方,続発無月経とは,これまであった月経が3か月以上停止したもの(妊娠中,産褥期,閉経後などの生理的無月経は除く)をいう.本稿では,続発無月経の分類,原因(誘因),病態,診断,および治療について概説する.

参考文献

1) Deligeoroglou E, Athanasopoulos N, Tsimaris P, et al : Evaluation and management of adolescent amenorrhea. Ann NY Acad Sci 1205 : 23─32, 2010
2) The ESHRE Capri Workshop Group : Nutrition and reproduction in women. Hum Reprod Update 12 : 193─207, 2006
3) 小原満雄,水沼英樹,安藤一道,他 : 無月経におけるLH pulse分泌と視床下部─下垂体機能の相関に関する研究.日産婦誌42 : 29─29,1990
4) 広井正彦,中村幸雄,河上征治,他 : わが国思春期少女の体格,月経周期,体重変動,希望体重との相互関連について─アンケートによる.日産婦誌49 : 367─377,1997
5) 中村幸雄,宮川勇生,石丸忠之,他 : 18歳以下の続発性無月経に関するアンケート調査 ─第1度無月経と第2度無月経の比較を中心として.日産婦誌51 : 755─761,1999
6) 楢原久司 : 婦人科疾患の診断・治療・管理内分泌疾患.日産婦誌62 : N3─N8,2010
7) 楢原久司 : 排卵現象のメカニズムとその異常.日産婦誌52 : N403─N406,2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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