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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻4号

2011年04月発行

文献概要

今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント 月経異常

7.過多月経

著者: 南佐和子1 八木重孝2 井箟一彦2

所属機関: 1和歌山県立医科大学総合周産期母子医療センター 2和歌山県立医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.408 - P.411

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1 概 念

 月経とは「約1か月の間隔で起こり,限られた日数で自然に止まる子宮内膜からの周期的出血」であると定義されている.一般に月経量は20~140 gで過多月経とされるのは140 g以上の出血量と判断される1).しかし,実際に測定されるわけではないため主観的な判断となる.英国のNational Institute for Health and Clinical Excellence(NICE)のHeavy Menstrual Bleedingの診断と治療のガイドラインでは,月経量が多いことによって身体的,精神的および社会的にQOLが障害された場合に臨床的には過多月経と判断してよいとされている2).過多月経は過長月経を伴うことが多く月経困難症も伴うことが多い.

参考文献

1) 日本産科婦人科学会編,産科婦人科用語解説集.金原出版,東京,1999
2) National Institute for Health and Clinical Excellence. : Heavy Menstrual Bleeding. Clinical guideline 44 developed by the National Collaborating Centre for Woman's Health, London, 2007
3) 百枝幹雄,水沼英樹,武谷雄二 : 月経困難症者を対象としたドロスピレノン・エチニールエストラジオール錠の長期投与の有効性・安全性の検討.診療と新薬47 : 1003─1015,2010
4) 丸尾 猛,本庄英雄,石川睦男 : 経産婦を対象としたSHG00650A(レボノルゲストレル放出型子宮内避妊システム)の12ヵ月間装着における有効性,安全性および薬物動態の検討.診療と新薬43 : 1157─1174,2006
5) The ESHRE Capri Workshop Group : Intrauterine divices and intrauterine systems. Human Reprod 14 : 197─208, 2008
6) Kennedy S, Bergqvist A, Chapron C, et al : ESHRE guideline for the diagnosis and treatment of endometriosis. Human Reprod 20 : 2698─2704, 2005
7) Yeasmin S, Nakayama K, Ishibashi M, et al : Microwave endometrial ablation as an alternative to hysterectomy for the emergent control of uterine bleeding in patients who are poor surgical candidates. Arch Gynecol Obstet 280 : 279─282, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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