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今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント 月経異常
8.月経困難症
著者: 藤原浩1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科器官外科講座婦人科学,産科学分野
ページ範囲:P.413 - P.416
文献購入ページに移動1 月経困難症とは
月経期間中に月経に随伴して起こる下腹部痛,腰痛など骨盤部位を中心とした疼痛に加え,悪心,嘔気,頭痛,下痢,胃痛,乳房痛,めまい,精神不穏,食欲減退などの病的症状が社会生活を営むことが不可能なほど重度なものを月経困難症という.程度が軽いものを含めると女性の約半数が上記のうち何らかの症状を自覚しているとされ,5%は就床を要すると推測されている.月経困難症は機能性月経困難症と器質性月経困難症とに大きく分けられる.器質性月経困難症の原因となる疾患には子宮内膜症,子宮腺筋症,子宮筋腫,子宮頸管狭窄,子宮発育不全,子宮奇形などが挙げられる.これに対して器質的病変を認めない場合を機能性月経困難症という.一般に機能性月経困難症は初経発来後,早期から認められ加齢とともに軽快する症例が多く,一方で器質性月経困難症は通常20歳以上にみられ,特に30歳以降に増加してくる傾向が認められる.
月経期間中に月経に随伴して起こる下腹部痛,腰痛など骨盤部位を中心とした疼痛に加え,悪心,嘔気,頭痛,下痢,胃痛,乳房痛,めまい,精神不穏,食欲減退などの病的症状が社会生活を営むことが不可能なほど重度なものを月経困難症という.程度が軽いものを含めると女性の約半数が上記のうち何らかの症状を自覚しているとされ,5%は就床を要すると推測されている.月経困難症は機能性月経困難症と器質性月経困難症とに大きく分けられる.器質性月経困難症の原因となる疾患には子宮内膜症,子宮腺筋症,子宮筋腫,子宮頸管狭窄,子宮発育不全,子宮奇形などが挙げられる.これに対して器質的病変を認めない場合を機能性月経困難症という.一般に機能性月経困難症は初経発来後,早期から認められ加齢とともに軽快する症例が多く,一方で器質性月経困難症は通常20歳以上にみられ,特に30歳以降に増加してくる傾向が認められる.
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