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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻4号

2011年04月発行

今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント

更年期・老年期

10.外陰掻痒症

著者: 岡野浩哉1

所属機関: 1飯田橋レディースクリニック

ページ範囲:P.572 - P.577

文献概要

1 概 念1~4)

 掻痒症は外陰部疾患の最も多い症状であるにもかかわらず,真の有病率・罹患率は不明できちんとした調査も行われていない.また,一般的に教科書といわれる類の書物においても,外陰掻痒症として項目を立てているものは少ない.その理由として『外陰部掻痒症という言葉は,症状・病徴をさすものであって疾患名を示すものではない』ということが挙げられる.一般的には各疾患,例えば「外陰カンジダ症」の症状として掻痒(pruritus/itch)という言葉が使われるにすぎない.本稿でもその点からほかの項目の「疾患」とは同様に解説できないことをはじめにお断りする.

 そのため,外陰掻痒症に対応する世界的に一致した定義はない.あえて言えば『掻痒を感ずるskin condition』が該当する.このskin conditionは目に見える皮膚変化として現れる場合もあれば,ほとんど視診上変化がない場合もある.ちなみに『掻痒(itch)』は,1660年にSamuel Hefrenrefferが“an unpleasant sensation provoking the desire to scratch”と最初に定義した.

参考文献

1) Bohl TG : Overview of vulvar pruritus through the life cycle. Clin Obstet Gynecol 48 : 786─807, 2005
2) Diagnosis and management of vulvar skin disorders. ACOG Practice Bulletin 93 : 1─11, 2008
3) Weichert GE : An approach to the treatment of anogenital pruritus. Dermatol Ther 17 : 129─133, 2004
4) Welsh B : Vulval itch. Australian Family Physician 33 : 505─510, 2004
5) http://www.nanbyou.or.jp/sikkan/032_i.htm難病情報センター,硬化性萎縮性苔癬より

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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