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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻4号

2011年04月発行

今月の臨床 婦人科内分泌療法─病態の理解と正しい診断に基づく対処・治療のポイント

腫瘍・類腫瘍

2.子宮腺筋症

著者: 中熊正仁1 森田峰人1

所属機関: 1東邦大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.591 - P.595

文献概要

1 概 念

 子宮腺筋症(adenomyosis)は,子宮筋層内に異所性子宮内膜組織を認める場合に用いる疾患名で,病巣組織が子宮内腔または子宮筋層以外の部位で発生・発育する子宮内膜症(endometriosis)とは区別して取り扱われる.しかし,両疾患の病理学的な識別は困難で,臨床経過や症状などの共通点も多いことから類縁疾患として取り扱われている.

 子宮腺筋症は,病巣の進展とともに子宮体積の増加や子宮内腔の伸展・変形が生じることから,子宮内膜症単独よりもさらに強い月経困難症状や慢性骨盤痛,過多月経が起こる.このため,罹患した女性のQOLを著しく低下させる腫瘍性疾患で,近年では子宮体癌の発生も懸念されている.

参考文献

1) Cullen TS : Adenomyoma of uterus. WB Saunders, Philadelphia & London, 1908
2) Ferenczy A : Pathophysiology of adenomyosis. Hum Reprod Update 4 : 312─322, 1998
3) Benson RC, Sneeden VD : Adenomyosis : a reappraisal of symptomatology. Am J Obstet Gynecol 76 : 1044─1061, 1958
4) Devlieger R, et al : Uterine adenomyosis in the infertility clinic. Hum Reprod Update 9 : 139─147, 2003
5) 松本幸代,竹下茂樹,梁 栄治,他 : 子宮腺筋症から発生したと思われる子宮体がんの3例.産と婦76 : 1572─1578,2008
6) 日本産科婦人科学会編 : 子宮内膜症取扱い規約 第2部 治療編・診察編,第2版.金原出版,2010
7) 産婦人科診療ガイドライン─婦人科外来編2011.日本産科婦人科学会,東京,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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