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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻5号

2011年05月発行

文献概要

今月の臨床 母体と胎児の栄養学 産褥と新生児の栄養管理

2.低出生体重児の栄養管理

著者: 渡辺とよ子1

所属機関: 1都立墨東病院周産期センター新生児科

ページ範囲:P.704 - P.707

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はじめに

 新生児の栄養管理の基本が母乳栄養であることは,出生体重にかかわらず栄養管理の大原則である.しかし低出生体重であることが出生直後の急性期から成長期さらには成人期に至るまで,それぞれ独特の病態を引き起こすリスクがある.出生体重が少ないほど身体に貯蔵している骨塩や鉄などの絶対量が少なく,その後の成長に伴う需要と供給の負のバランスにより,未熟児代謝性骨疾患(未熟児くる病)や未熟児貧血を引き起こす可能性がある.最近の低出生体重児の栄養に関するトピックスであるDOHaD(developmental origins of health and disease)仮説は,低出生体重児の栄養管理について大きな課題を投げかけている.本稿では以上の観点から低出生体重児の栄養管理について述べる.

参考文献

1) エリザベス・ジョーンズ,キャロライン・キング(著),板橋家頭夫(監訳) : エビデンスに基づく早産児の栄養管理─第一章早産児における母乳の利点.メジカルビュー,pp10─21,2007
2) Engle WA, Tomashek KM, Wallman C, et al : Committee on Fetus and Newborn, American Academy of Pediatrics. “Late-perterm” infants : apopulation at risk. Pediatrics 120 : 1390─1401, 2007
3) Girish S, Leaf AA : International benchmarking in neonatal tntensive care : the Vermont-Oxford network. Clin Goven Bull 5 : 8─10, 2003
4) 山城雄一郎 : 出生後の栄養とDOHaD望ましい新生児乳児の栄養.In : DOHaDその基礎と臨床─生活習慣病の根源を探る : 胎生期から乳児期までの環境と成人期の健康問題(板橋家頭夫,松田義雄,編).pp65─76,金原出版,東京,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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