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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻5号

2011年05月発行

文献概要

連載 Estrogen Series・94

子宮摘出術に伴う任意両側卵巣摘出術の頻度

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.715 - P.715

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 女性生殖器の癌で,卵巣癌は死因の第一位を占める.子宮摘出術時に任意に卵巣摘出術を行えば,将来の卵巣癌は防止できるわけであるが,同時に(オステオポローシスなどの)エストロゲンの喪失による病態の発生も考慮しなくてはならない.米国では「伝統的に」子宮摘出時に卵巣摘出をするかどうかの判断は40歳という年齢が境界となってきた.米国産婦人科医会はこの問題に関して1999年に見解を発表したが,さらに2008年にそれを改定した1).その内容は,一口に言えば,更年期以前での任意両側卵巣摘出術は望ましくない,というものである.その利害得失のバランスを考えるとき,任意両側卵巣摘出術による早すぎるエストロゲンの喪失というロスと,卵巣癌の発生を防止することによる利益を対比しなければならない.ここに,Obstetrics and Gynecology誌2010年11月号から,任意両側卵巣摘出術の頻度に関する最近の論文をご紹介したい.

 筆者らは1998~2006年の期間になされた225万例の子宮摘出術の統計を調べた.症例はすべて良性疾患の場合のみである.両側卵巣摘出術(bilateral salpingo-oophorectomy : BS&O)は子宮摘出術全体の39%に行われていた.子宮摘出術の術式をみると,腹式が72%,経腟15%,腹腔鏡によるもの13%であった.

参考文献

1) Asante A, Whiteman MK, Kulkarni A, et al : Elective Ooophorectomy in the United States. Obstet Gynecol 116 : 1088─1095, 2010
2) ACOG Practice Bulletin No.89. Obstet Gynecol 111 : 231─411, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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