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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科65巻7号

2011年07月発行

症例

分娩後に筋腫分娩に伴う大量出血を来たした1例

著者: 上田大介1 伊勢由香里1 國久有香1 上田智弘1 西島光浩1 岩崎正憲1 堀口英久2

所属機関: 1兵庫県立淡路病院産婦人科 2兵庫県立淡路病院病理診断科

ページ範囲:P.965 - P.968

文献概要

 今回われわれは,妊娠中には特に症状なく経過したが,分娩後に筋腫分娩に伴う大量出血を来たし,経腟的子宮筋腫核出術を施行した粘膜下子宮筋腫合併妊娠の1例を経験したので報告する.

 症例は37歳,2経妊2経産の女性.約4 cm大の粘膜下子宮筋腫があり,外来管理していた.自然妊娠が成立し,妊娠中も順調に経過した.妊娠38週に自然陣痛が発来し,児を経腟分娩にて娩出した.出産直後の診察では外子宮口から突出する腫瘤は認めなかった.その後に持続出血を認め,再度診察を試みたところ,腟内は腫瘤によって充満状態で腫瘤の茎部から出血を認めた.筋腫分娩と診断し,内子宮口部付近で腫瘤茎部を結紮のうえ核出術を施行した.手術後経過は良好であり,病態の悪化はなかった.

 粘膜下子宮筋腫合併妊娠においては筋腫分娩を合併し,大量出血の原因となりうることが確認された.出産前に大量出血への対応を考慮することが重要であると再確認した.

参考文献

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2) 日本産科婦人科学会,日本産婦人科医会 : 妊婦から子宮筋腫合併妊娠の予後等について問われた時の説明は?.産婦人科診療ガイドライン,産科編.日本産科婦人科学会,pp133─134,2008
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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