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症例
分娩後に筋腫分娩に伴う大量出血を来たした1例
著者: 上田大介1 伊勢由香里1 國久有香1 上田智弘1 西島光浩1 岩崎正憲1 堀口英久2
所属機関: 1兵庫県立淡路病院産婦人科 2兵庫県立淡路病院病理診断科
ページ範囲:P.965 - P.968
文献購入ページに移動症例は37歳,2経妊2経産の女性.約4 cm大の粘膜下子宮筋腫があり,外来管理していた.自然妊娠が成立し,妊娠中も順調に経過した.妊娠38週に自然陣痛が発来し,児を経腟分娩にて娩出した.出産直後の診察では外子宮口から突出する腫瘤は認めなかった.その後に持続出血を認め,再度診察を試みたところ,腟内は腫瘤によって充満状態で腫瘤の茎部から出血を認めた.筋腫分娩と診断し,内子宮口部付近で腫瘤茎部を結紮のうえ核出術を施行した.手術後経過は良好であり,病態の悪化はなかった.
粘膜下子宮筋腫合併妊娠においては筋腫分娩を合併し,大量出血の原因となりうることが確認された.出産前に大量出血への対応を考慮することが重要であると再確認した.
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