文献詳細
今月の臨床 不妊診療のABC─ARTの前にできること
不妊原因診断とARTの前の対処法
文献概要
乏精子症・無精子症
■概念
不妊の原因のうち,明らかな男性因子が約20%,双方の原因が約30%といわれ,約50%が男性側にも原因があるといわれている.乏精子症(oligozoospermia)とは精子濃度が20×106/mL未満の場合,無精子症(azoospermia)とは精液中に精子が存在しない(遠心分離で確認)ものをいう.男性不妊症の原因としては(1)造精機能障害,(2)精路通過障害,(3)性機能障害,(4)副精器機能異常・そのほかに大別されるが,そのほとんど(約90%)は造精機能障害である.造精機能障害は原因が特定されない特発性が約70%と最も多く,ほかの基礎疾患として染色体異常,精索静脈瘤,停留精巣,内分泌障害が挙げられる1, 2)
■概念
不妊の原因のうち,明らかな男性因子が約20%,双方の原因が約30%といわれ,約50%が男性側にも原因があるといわれている.乏精子症(oligozoospermia)とは精子濃度が20×106/mL未満の場合,無精子症(azoospermia)とは精液中に精子が存在しない(遠心分離で確認)ものをいう.男性不妊症の原因としては(1)造精機能障害,(2)精路通過障害,(3)性機能障害,(4)副精器機能異常・そのほかに大別されるが,そのほとんど(約90%)は造精機能障害である.造精機能障害は原因が特定されない特発性が約70%と最も多く,ほかの基礎疾患として染色体異常,精索静脈瘤,停留精巣,内分泌障害が挙げられる1, 2)
参考文献
1) 岩本晃明 : 男性不妊症の検査.日常診療のための泌尿器科診断学(吉田修編).pp180─197,インターメディカ,2002
2) 辻村 晃,宮川 康,奥山明彦 : 特発性乏精子・精子無力症の概説.男性不妊症の臨床(岩本晃明,松田公志編).pp116─117,メディカルビュー,2007
3) 西山博之 : 内分泌検査.男性不妊症の臨床(岩本晃明,松田公志編).pp61─66,メディカルビュー,2007
4) 高尾徹也,辻村 晃 : 不妊の検査・診断─男性因子.臨婦産63 : 411─413,2009
5) 谷口久哲,日浦義仁,河 源,他 : 当科における後天性低ゴナドトロピン性男子性腺機能低下症の検討.日性会誌24 : 377─382,2009
6) 精液検査標準化ガイドライン作成ワーキングクループ : 精液検査標準化ガイドライン.金原出版,東京,2007
7) 岡田 弘 : 不妊症の治療─男子因子に対する治療.臨婦産63 : 621─623,2009
8) 坂本英雄,吉田英機 : 非内分泌療法.男性不妊症の臨床(岩本晃明,松田公志編).pp122─126,メディカルビュー,2007
9) 日本性機能学会,ED診療ガイドライン作成委員会 : ED診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング株式会社,2008
10) 岡田 弘 : 射精障害.男性不妊症の臨床(岩本晃明,松田公志編).pp191─196,メディカルビュー,2007
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