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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科66巻10号

2012年09月発行

原著

CIN治療後における残存HPVの自然消失について

著者: 小林正幸1 村田晋1 平野開士1 長崎真琴2 石田克成2 波田地政代2 桃木美弥2 石田由香2

所属機関: 1浜田医療センター産婦人科 2浜田医療センター臨床検査科

ページ範囲:P.895 - P.899

文献概要

要旨

 CINに対してはレーザー蒸散,子宮頸部円錐切除術(以後 : 円錐切除)が広く施行されており良好な成績を得ている.当院で術後にHPVの消退を調べたところ,術後2~3か月後にHPVが残存していた症例の中で6割程度はその後数か月でウイルスは自然消滅していた.HPVについては液性免疫の獲得は起こりにくいといわれているが1, 2),レーザー蒸散や円錐切除の際には細胞の破壊と基底膜の破壊により抗体が産生され,残存ウイルスに作用し,ウイルス排除に貢献しているのではないかと推測した.また,治療後いったん消失した型と同型の再感染も認められなかった.

参考文献

1) 井上正樹 : ヒトパピローマウイルス─子宮頸癌.臨床と微生物38 : 249─255,2011
2) 笹川寿之 : ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの現状と課題.Modern Media 55 : 269─275,2009
3) Carter JJ, et al : Comparison of human papillomavirus types 16,18 and 6 capsid antibody responses following incident infection. J Infect Dis 181 : 1911─1919, 2000
4) 満下淳地,林 由梨,根津幸穂,今野 良 : 子宮頸癌とHPVワクチン 特集 これだけは知っておきたい子宮頸癌の診断・治療と予防.産婦治療102 : 984─988,2011
5) 笹川寿之 : 子宮頚癌に対する免疫学的治療.母性衛生51 : 29,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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