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臨床経験
1回の子宮内容除去術で管理した胞状奇胎症例の検討
著者: 福田貴則1 井上裕美1 木幡豊1 日下剛1 門間美佳1 大林美貴1 鵜澤芳江1 市田知之1 外山唯奈1
所属機関: 1湘南鎌倉総合病院産婦人科
ページ範囲:P.901 - P.903
文献購入ページに移動本邦において胞状奇胎に対し,慣例的に子宮内容除去術を2回施行している施設は多いが,欧米の文献では子宮内容除去術の2回施行を推奨する記載はない.当院では以前より胞状奇胎に対し1回の子宮内容除去術で治療しており,今回,その治療成績につき検討した.1997年から2011年まで当院において胞状奇胎の疑いにて経腹超音波下でのsuction curettageによる子宮内容除去術を1回施行し,病理組織学的に診断した胞状奇胎全27例(全胞状奇胎18例,部分胞状奇胎9例 : 年齢22~51歳)を後方視的に検討した.24例(88.9%)は術後のhCG値の推移が経過順調型のパターンを呈した.うち11例はその後に妊娠し,9例が正常分娩にて生児を得た.経過非順調型のパターンは3例(11.1%)に認めた.文献や各国のガイドライン,今回の報告により胞状奇胎に対し,ルーチンに2回子宮内容除去術を施行する必要はないと思われる.
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