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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科66巻2号

2012年02月発行

文献概要

連載 FOCUS

卵子提供および海外渡航治療に対する医師の意識調査からみえること

著者: 白井千晶1 日比野由利2

所属機関: 1日本学術振興会 2金沢大学

ページ範囲:P.186 - P.192

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はじめに

 2011年7月に実施した「海外渡航治療と第三者が関わる生殖技術に対する不妊治療担当医師の意識調査」によれば,特定不妊治療費助成施設で長として不妊治療を担当する医師の約半数が「海外渡航すれば卵子提供が受けられるか」との問い合わせを受けたことがある.卵子提供について70%が「国内法を整備して国内実施が望ましい」と考えているのは,危機感のあらわれでもあるだろう.また9割が,一般論として卵子提供に賛成にしても反対にしても「自身は扱わない」と回答している.ただ,こうした回答には,一定の傾向をもったばらつきもみられる.本調査結果も参考に,さまざまな立場の人を巻き込んだ再議論に基づいた,国レベルの方針決定が望まれる.

参考文献

1) 厚生科学審議会生殖補助医療部会 : 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療制度の整備に関する報告書.厚生労働省,2003
2) 日本生殖医学会倫理委員会 : 第三者配偶子を用いる生殖医療についての提言.生殖医学会,2009
3) 才村真理編 : 生殖補助医療で生まれた子どもの出自を知る権利.福村出版,2008
4) 殿村琴子 : 非配偶者間人工授精と「出自を知る権利」の行方.Life Design REPORT,2007,11─12月号
5) 林かおり : 海外における生殖補助医療法の現状─死後生殖,代理懐胎,子どもの出自を知る権利をめぐって.外国の立法243,国立国会図書館調査及び立法考査局,2010
6) 二宮周平 : 子どもの知る権利について学術の動向.学術の動向 : pp40─45,5月号,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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