文献詳細
オフィス ギネコロジー 女性のプライマリ・ケア
V 婦人科疾患
文献概要
◆オフィス診療で卵巣腫瘍を認めた場合,悪性はもちろん良性でも手術適応となる可能性が高いため,それぞれの腫瘍の特徴を把握しておくことが必要である.
◆卵巣腫瘍のなかには,小さな(囊胞径5 cm以下)単純性囊胞や機能性囊胞など,オフィス診療で経過観察可能な囊胞性腫瘍も存在するが,径が大きい(6 cm以上)囊胞性腫瘍や,腫瘍により痛みや圧迫などの症状を伴う場合,小さくても単純性囊胞とは異なる「腫瘍」を疑う場合,充実性腫瘍,また悪性を疑う腫瘍などは高次医療機関で取り扱うこととなる.
◆このため卵巣腫瘍に際しては,自他覚所見,経腟超音波検査,腫瘍マーカー検査などを十分に活用して診断することが重要であり,それらの情報から高次医療機関での精査・治療の必要性を総合的に判断する.
◆卵巣腫瘍のなかには,小さな(囊胞径5 cm以下)単純性囊胞や機能性囊胞など,オフィス診療で経過観察可能な囊胞性腫瘍も存在するが,径が大きい(6 cm以上)囊胞性腫瘍や,腫瘍により痛みや圧迫などの症状を伴う場合,小さくても単純性囊胞とは異なる「腫瘍」を疑う場合,充実性腫瘍,また悪性を疑う腫瘍などは高次医療機関で取り扱うこととなる.
◆このため卵巣腫瘍に際しては,自他覚所見,経腟超音波検査,腫瘍マーカー検査などを十分に活用して診断することが重要であり,それらの情報から高次医療機関での精査・治療の必要性を総合的に判断する.
参考文献
1) 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会(編) : CQ215 出血性黄体嚢胞・卵巣出血の診断は? 産婦人科ガイドライン婦人科外来編2011.pp65─66,2011
2) 日本超音波医学会用語・診断基準委員会 : 卵巣腫瘍のエコーパターン分類.Jpn J Med Ultrasonics 57 : N351─355,2000
3) 日本産科婦人科学会(編) : CQ214 良性腫瘍と考えられる卵巣嚢胞の鑑別診断と管理は? 産婦人科ガイドライン婦人科外来編2011.pp62─64,2011
4) 山田るりこ,前田長正,深谷孝夫,他 : 画像診断し得た卵巣成熟性嚢胞性奇形腫悪性転化の1例─FDG-PET/CTによる奇形腫の良悪性部分の描出を中心に.日産婦誌61 : 687,2009
5) Tailor A, Jurkovic D, Campbell S, et al : A comparison of intratumoral indices of blood flow velocity and impedance for the diagnosisof ovarian cancer. Ultrasound Med Biol 22 : 837─843, 1996
6) 日本産科婦人科学会(編) : Endometrial cyst合併卵巣癌に対するガイドライン─卵巣チョコレート嚢胞の悪性化.子宮内膜症取扱い規約 第2部 治療編・診療編.第2版.pp91─93,金原出版,2010
7) 小林 浩 : 子宮内膜症の癌化とその取り扱い方.産婦の治療101 : 257─263,2010
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