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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科66巻6号

2012年05月発行

連載 Estrogen Series

任意の両側卵巣摘出術(2)

著者: 矢沢珪二郎1

所属機関: 1ハワイ大学

ページ範囲:P.480 - P.481

文献概要

 前回に続いて良性疾患を適応とした子宮摘出術に伴う任意の両側卵巣摘出術(elective BS&O)について考察してみたい.前回で取り上げた著者らは,さらに29,380例の良性疾患による子宮摘出例についてBS&Oの問題を調べ,これは2009年に発表された1).今回はこの論文をご紹介したい.子宮摘出術を受けた29,380人のうち55.6%がBS&Oを伴い,44.4%に卵巣保存がされていた.その追跡期間は24年間で,BS&O群と卵巣保存群のアウトカムを比較検討した.

 全体としてみると,卵巣摘出群の死亡率は増加していた(HR 1.12,95%CI 1.03~1.21).このデータを著者は「卵巣摘出を受けた女性24人につき,1人が卵巣摘出の結果として死亡が早まったpremature deathを経験することになる」と表現している.

参考文献

1) Parker WH, et al : Ovarian Conservation at the time of hysterectomy and long-term health outcome in the nurses' Health Study. Obstet Gynecol 113 : 1027─1037, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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