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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科66巻6号

2012年05月発行

文献概要

連載 FOCUS

「産科危機的出血への対応ガイドライン」活用法

著者: 久保隆彦1

所属機関: 1国立成育医療研究センター周産期センター産科

ページ範囲:P.484 - P.488

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緒言

 海外ではbloody businessといわれる輸血がつきものの産科医療は,筆者が行った全国調査でも約300人の妊娠・分娩に1人で生命にかかわる緊急大量出血をきたす.しかし,そのことを一般国民はほとんど知らない.このような産科危機的出血の際に適切な輸血療法を実施しなければ,簡単に母体死亡に直結する.しかし,平成17年に厚生労働省から通知された「輸血療法の実施に関する指針」(改訂版)および「血液製剤の使用指針」(改訂版)では産科出血については言及されておらず,しかも産科出血の特徴も考慮されていない.輸血を支える医療従事者は産科領域の輸血について十分な知識をもつ必要がある.

参考文献

1) 渡邊典芳,久保隆彦,他 : 妊産婦における自己血輸血の安全性の検討─多施設共同研究に向けての予備的研究─.日本輸血細胞治療学会誌53 : 359─364,2007
2) 久保隆彦 : 産科出血に対する輸血療法.日産婦誌60 : 219─224,2008
3) 久保隆彦 : 産科出血の特殊性.周産期医38 : 781─786,2008
4) 久保隆彦 : 産科出血の現状と輸血の問題点.現在の輸血療法.真興交易医書 : 84─96,2008
5) 亀井良政,久保隆彦,矢野 哲 : 日本周産期・新生児医学会雑誌44 : 992─994,2008
6) 矢野 哲,久保隆彦,亀井良政 : 妊産婦における自己血貯血・自己血輸血のガイドライン作成に向けた検討.厚生労働科学研究費補助金医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス綜合研究事業「危機的出血に対する輸血ガイドライン導入による救命率変化および輸血ネットワークシステム構築に関する研究」平成20年度統括・分担研究報告書.40─44,2009
7) 亀井良政,久保隆彦,矢野 哲 : 産科の出血性ショック─その現状と輸血療法─.産婦治療99 : 279─283,2009
8) 花岡正智,筒井淳奈,久保隆彦 : 産科出血の臨床的検討.日本周産期・新生児医学会雑誌45 : 834─838,2009
9) 久保隆彦 : 出血量からみた分娩時異常出血.産と婦76 : 1049─1053,2009
10) 久保隆彦 : 産科出血の特殊性と対応.分娩と麻酔91 : 20─26,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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