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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科66巻7号

2012年06月発行

文献概要

症例

浮腫と腹水貯留がきっかけとなり診断され,急激な経過をたどった妊娠に合併したネフローゼ症候群の1例

著者: 佐藤賢一郎1 水内英充2 北島義盛3 塚本健一4 藤田美悧4

所属機関: 1製鉄記念室蘭病院産婦人科 2みずうちウイメンズクリニック 3セントラル女性クリニック 4製鉄記念室蘭病院臨床病理検査室

ページ範囲:P.587 - P.591

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要旨

 今回,36歳,2経妊・1経産,妊娠5週で両下肢の浮腫を主訴に受診したところ,経腟超音波による腹水貯留所見がきっかけとなり診断された微小変化型ネフローゼ症候群の1例を経験した.製鉄記念室蘭病院内科に入院し,ステロイドパルス療法を施行後,プレドニゾロン40 mg/日を内服し尿蛋白は第3病日に13.873 g/日であったが,第7病日には4.172 g/日,第13病日で0.377 g/日,血清アルブミンは,第3病日に0.5 g/dL,第7病日で0.9 g/dL,第14病日で1.8 g/dL,第26病日には3.1 g/dLとなった.腎機能は第3病日の24時間Ccr 68.4 mL/分,第7病日には88.3 mL/分で,血清Crの上昇はみられなかった.第10病日(6週2日)には3 mmの胎芽と心拍が確認された.転居により他院へ紹介したが,妊娠18週で羊水過少,先天異常疑いで希望により中絶となった.中絶後もステロイド減量中に2回の再燃を認めステロイドパルス療法を行い加療中である.

参考文献

1) 佐藤賢一郎,水内英充 : ダグラス窩の経腟超音波所見.臨婦産58 : 1391─1398,2004
2) 赤田 忍,森山郁子,一條元彦,他 : ネフローゼ症候群.母体疾患の周産期ケア.周産期医学24(増刊号) : 341─344,1994
3) 三宅良明,中本 収,中林正雄 : ネフローゼ症候群の妊娠許可条件は? 妊娠高血圧症候群(PIH)管理ガイドライン2009(日本妊娠高血圧学会編).pp118─119,MEDICAL VIEW,2009
4) 三宅良明,中本 収,中林正雄 : 妊娠前から腎疾患を合併している患者が妊娠した場合のカウンセリングは? 妊娠高血圧症候群(PIH)管理ガイドライン2009(日本妊娠高血圧学会編).pp114,MEDICAL VIEW,2009
5) 田中亜由子,上田恭子,鈴木 真,他 : 妊娠中にステロイドパルス療法を行ったネフローゼ症候群の一例.日産婦関東連会誌45 : 250,2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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