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症例
浮腫と腹水貯留がきっかけとなり診断され,急激な経過をたどった妊娠に合併したネフローゼ症候群の1例
著者: 佐藤賢一郎1 水内英充2 北島義盛3 塚本健一4 藤田美悧4
所属機関: 1製鉄記念室蘭病院産婦人科 2みずうちウイメンズクリニック 3セントラル女性クリニック 4製鉄記念室蘭病院臨床病理検査室
ページ範囲:P.587 - P.591
文献購入ページに移動今回,36歳,2経妊・1経産,妊娠5週で両下肢の浮腫を主訴に受診したところ,経腟超音波による腹水貯留所見がきっかけとなり診断された微小変化型ネフローゼ症候群の1例を経験した.製鉄記念室蘭病院内科に入院し,ステロイドパルス療法を施行後,プレドニゾロン40 mg/日を内服し尿蛋白は第3病日に13.873 g/日であったが,第7病日には4.172 g/日,第13病日で0.377 g/日,血清アルブミンは,第3病日に0.5 g/dL,第7病日で0.9 g/dL,第14病日で1.8 g/dL,第26病日には3.1 g/dLとなった.腎機能は第3病日の24時間Ccr 68.4 mL/分,第7病日には88.3 mL/分で,血清Crの上昇はみられなかった.第10病日(6週2日)には3 mmの胎芽と心拍が確認された.転居により他院へ紹介したが,妊娠18週で羊水過少,先天異常疑いで希望により中絶となった.中絶後もステロイド減量中に2回の再燃を認めステロイドパルス療法を行い加療中である.
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