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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科67巻1号

2013年01月発行

文献概要

今月の臨床 性感染症と母子感染─最新の診断と管理 性感染症 最新の診断と治療

3)淋菌感染症

著者: 菅沼牧知子1 三橋直樹1

所属機関: 1順天堂大学医学部附属静岡病院産婦人科

ページ範囲:P.47 - P.51

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●淋菌感染症は,性感染症で,特に10~20歳台の男女に蔓延しているが,無症状のこともあり放置されていることも多い.

●妊婦が淋菌性子宮頸管炎を合併すると,新生児に淋菌性結膜炎を起こすことがある.昔は,これが失明の大きな原因となっていた.現在は,新生児全例に予防として抗菌薬の点眼が行われている.

●女性では,淋菌による子宮頸管炎を放置すると,卵管から骨盤内に感染が波及し,子宮外妊娠や不妊症の原因となることがある.そのため,早期発見,治療が重要である.

●抗菌薬に対する多剤耐性化が進み,治療はセフェム系抗菌薬の注射薬が第一選択となっている.

●近年の性行動の多様化を反映し,性器外の感染例が増加している.

参考文献

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2) 余田敬子,尾上泰彦,田中伸明,他 : うがい液を検体としたNeisseria gonorrhoeaeおよびChlamydia trachomatis咽頭感染の診断─咽頭スワブとの比較検討.日性感染症会誌18 : 115─120,2007
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5) 松本哲朗 : 淋菌感染症.Mebio 24 : 76─81,2007
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9) Calong N : Screening for Gonorrhea : Recommendation Statement. Ann Fam Med 3 : 263-267, 2005
10)安田 満 : 性感染症の現状と治療の問題点.綜合臨60 : 1455─1456,2011
11) 赤坂総一郎,村谷哲郎,山田陽司,他 : 淋菌感染症(無症候性性感染症の現状と対策).日性感染症会誌17 : 52─55,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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