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原著
子宮頸部円錐切除術後の妊娠・分娩の検討
著者: 谷本博利1 岡本啓1 高尾佑子1 本田裕1 寺本三枝1 寺本秀樹1
所属機関: 1広島市立安佐市民病院産婦人科
ページ範囲:P.193 - P.196
文献購入ページに移動子宮頸部円錐切除術が妊娠・分娩に及ぼす影響について,2001年1月~2011年12月の間に子宮頸部円錐切除術を施行した症例のうち手術時に妊娠中であった症例および術後に妊娠を確認できた症例50例,63妊娠を対象に検討した.自然流産は14.3%(9/64)であり一般の自然流産頻度8~15%とほぼ同等であった.分娩に至った症例のうち37週未満の早産は18.4%(9/49),36週未満の早産は8.2%(4/49)であり一般妊娠での早産率と比較して高率であった.妊娠継続中,人工流産,不明を除いた58例の検討で,頸管縫縮術を施行した症例は11例,そのうち36.4%(4/11)が流早産となった.頸管縫縮術を施行していない47例での流早産は29.8%(14/47)であった.頸管縫縮術の有無と流早産の頻度には有意差を認めなかった(p=0.6746).子宮頸部円錐切除後妊娠では早産の頻度が高く慎重な管理が必要と考えられた.また,円錐切除後妊娠での頸管縫縮術の早産防止に関する有用性は明らかではなかった.
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