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今月の臨床 ART成功の秘訣─どうすれば妊娠率は向上するか
胚凍結法
著者: 沖津摂1
所属機関: 1三宅医院生殖医療センター
ページ範囲:P.1038 - P.1042
文献購入ページに移動●デバイス先端へのVSの持ち込み量 : vitrificationの成功には冷却速度より融解時の加温速度のほうが重要.凍結保存時のデバイス上へのVS液の持ち込み量は減らしすぎないよう注意する.
●気泡発生回避 : 融解ステップでのデバイス先端への気泡発生はデバイス自体や液体窒素の清潔性を高めることで回避できる.また,胚紛失時にはVS液面の気泡を調べることで見つけることができる可能性がある.
●長期予後への配慮 : 産まれてくる児の予後にまで配慮する.凍結保存中の感染回避,利用する凍結保存液の安全性について長期的にトレースできる環境を整える.
●気泡発生回避 : 融解ステップでのデバイス先端への気泡発生はデバイス自体や液体窒素の清潔性を高めることで回避できる.また,胚紛失時にはVS液面の気泡を調べることで見つけることができる可能性がある.
●長期予後への配慮 : 産まれてくる児の予後にまで配慮する.凍結保存中の感染回避,利用する凍結保存液の安全性について長期的にトレースできる環境を整える.
参考文献
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9) 沖津 摂,小見山純一,清川麻知子,他 : 液体窒素タンク内に混入した夾雑物に対する一般細菌検査.日本臨床エンブリオロジスト学会雑誌,受理済み,未掲載
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