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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科67巻12号

2013年12月発行

文献概要

症例

胞状奇胎娩出後約3年経過し,血痰,乳房腫瘤を認め,絨毛癌と診断された1例

著者: 長治誠1 安藤まり1 久保光太郎3 早田裕1 清水健治1 山下裕2 池田秀明2 小寺正人2

所属機関: 1鳥取市立病院産婦人科 2鳥取市立病院外科 3岡山大学病院産婦人科

ページ範囲:P.1287 - P.1293

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要約

 胞状奇胎娩出後1年7か月経過し,その後自然妊娠し,帝王切開が施行された7か月後に血痰,乳房腫瘤を認め,絨毛癌と診断された1例を経験した.症例は38歳,4経妊3経産.胞状奇胎の診断で約3年前他院にて胞状奇胎除去術を施行されていた.術後1年6か月で同院での胞状奇胎の定期検診は終了していた.その後自然妊娠し,胞状奇胎の術後2年4か月目,妊娠39週で帝王切開が施行されていた.産後7か月経過し,血痰,左乳房腫瘤を認め,当院内科,外科に紹介となった.乳腺腫瘤の穿刺組織診結果で絨毛癌と診断され,当科へ紹介となった.諸検査にて絨毛癌stageIVと診断し,EMA/CO療法を7コース行ったが,肺病変,乳腺病変の残存を認めたため外科切除を行った.その後3年以上経過するが再発は認められていない.

参考文献

1) 日本産科婦人科学会・日本病理学会編 : 絨毛性疾患取扱い規約第3版.金原出版,2011
2) 宇田川康博,八重樫伸夫,他 : 婦人科がん標準化学療法の実際,金原出版,2008
3) 田中忠夫 : 妊娠性絨毛性疾患.産婦の実際56 : 1779─1783,2007
4) 井箟一彦,野村誠二,山本栄子,他 : 本邦における絨毛性疾患の発生動向.産婦の実際55 : 595─600,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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