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Nuchal translucencyの正しい評価方法と問題点
著者: 佐野匠1 藤田太輔1 加藤壮介1 宮本良子1 鈴木裕介1 神吉一良1 湯口裕子1 荘園ヘキ子1 山下能毅1 亀谷英輝1 大道正英1
所属機関: 1大阪医科大学産婦人科
ページ範囲:P.317 - P.322
文献購入ページに移動Nuchal translucency(以下,NT)とは,妊娠初期の胎児超音波検査で,後頸部に観察される低エコー域のことであり,肥厚が認められる場合に染色体異常や心奇形などのリスクが上昇する.欧米ではNTが出生前診断マーカーとして扱われているが,本邦ではいまだ普及していない.当院にNTの肥厚を疑われて紹介された15例を対象として前医と当院でのNT値の比較,測定方法などを検討した.当院で測定された15症例中9例(60%)は,NT値が95th centiles以上であった.残りの6例(40%)は95th centiles以内であった.前医でThe Fetal Medicine Foundationの規定する測定法を用いて正しく測定された例は1例も認めなかった.12例に羊水染色体検査を施行し,5例に染色体異常を認めた.本邦ではNTは正しく測定・評価されていない実態が明らかとなった.出生前診断を行ううえで,NTの正しい測定と理解が必要であると考えられた.
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