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雑誌目次

雑誌文献

臨床婦人科産科67巻4号

2013年04月発行

雑誌目次

増刊号 産婦人科当直医マニュアル―慌てないための虎の巻

本扉

ページ範囲:P.1 - P.1

I 当直に備えた心構え

I章扉

ページ範囲:P.5 - P.5

患者を守り,トラブルを避けるための当直医の心得―産婦人科当直の特性

著者: 藤井知行

ページ範囲:P.6 - P.8

Point

 当直医が,患者を守り,トラブルを避けるためのポイントは,以下の通りである.

◆当直中でも,ガイドラインに従った標準医療を実施する.

◆忙しくても,インフォームド・コンセントを書面で取り,記録する.

◆面倒くさがらず,電話だけで判断せず,患者を実際に診察して判断する.

◆当直帯の診療を求めてくる患者の立場に立って物を考え,診療に当たる.

◆夜間・休日診療の限界を知り,患者にも理解させる.

分娩当直の心得

著者: 杉本充弘

ページ範囲:P.9 - P.11

Point

◆分娩当直医の責務は,夜間・休日の分娩室担当時間における母子の安全と快適性を確保することである.

◆安全の確保に加えて,母子中心の出産を支援して「いいお産」を提供する産科医療が大切である.

◆当直時間帯に発生した問題事例は,診療科の責任者へ報告・連絡・相談を適切に行うことが求められる.

◆当直前後の休息を十分に取り,心身ともにベストの体調で分娩当直に臨むことが肝要である.

臨終立会い時の対応・診断書の書き方

著者: 関博之

ページ範囲:P.12 - P.18

Point

◆死亡診断書(死体検案書)には,人間の死亡を医学的・法律的に証明すること,わが国の死因統計作成の資料となること,の2つの目的がある.

◆死亡診断書(死体検案書)は,医師,歯科医師にはその作成交付の義務が法律によって規定されている.

◆死亡診断書(死体検案書)の作成は,平成16年4月から必修化された医師の「臨床研修の到達目標」に含まれている.

II 婦人科編

II章扉

ページ範囲:P.19 - P.19

1 「救急/時間外」の婦人科疾患

1.機能性出血

著者: 岡垣竜吾

ページ範囲:P.20 - P.22

当直医へのcall

◆不正性器出血としてcallされる可能性が高く,原因や詳細な状況は不明なことが多い.婦人科的な鑑別診断を要求される.

◆多くの機能性出血は緊急性が低いが,大量出血である場合には,急速に進行する貧血に対する全身管理と緊急止血処置を要求される.

2.卵巣出血

著者: 鹿島大靖 ,   塩沢丹里

ページ範囲:P.23 - P.26

当直医へのcall

◆どのような主訴が多いか?

 下腹痛,出血量が増加すると腹部全体の痛みになる.血液の腹膜刺激によって消化器症状を呈することもある.

◆call時点で特に重要な情報は?

 全身状態,バイタルサインはどうか.大量出血によるショック状態で,緊急輸血,緊急手術の適応となることもある.

◆疾患の予測には何が重要か?

 問診が重要である.月経周期の何日目か,発症時には何をしていたか,既往歴・合併症を把握する.

3.卵管妊娠破裂/頸管妊娠出血

著者: 増山寿 ,   平松祐司

ページ範囲:P.28 - P.31

当直医へのcall

◆卵管妊娠破裂では急性腹症が多く,頸管妊娠出血では不正性器出血が主訴であることが多い.

◆救急搬送もwalk inもありうる.

◆月経遅延で早い時期に産婦人科を受診し,異所性妊娠の可能性を指摘されていることが多いが,未受診,ショックの状態で搬送される症例が存在する.

◆バイタルサイン,出血量や月経・妊娠分娩歴の情報を得る.

4.卵巣腫瘍茎捻転

著者: 冨松拓治 ,   下屋浩一郎

ページ範囲:P.32 - P.34

当直医へのcall

◆急激な持続する下腹部痛としての救急搬送が多い.

◆症状が変化することが多く,短時間で下腹部痛が軽減することも多い.

◆症状も鑑別診断も多岐にわたるため,他科からのコンサルトも多い.

◆腹腔内出血をきたす疾患(異所性妊娠,黄体囊胞の破裂など)との鑑別が重要である.

5.卵巣チョコレート囊胞破裂

著者: 冨松拓治 ,   下屋浩一郎

ページ範囲:P.35 - P.37

当直医へのcall

◆急激な持続する下腹部痛としての救急搬送が多い.

◆症状も鑑別診断も多岐にわたるため,他科からのコンサルトも多い.

◆腹腔内出血をきたす疾患(異所性妊娠,黄体囊胞の破裂など)との鑑別が重要である.

◆卵巣チョコレート囊胞破裂の詳細な臨床像は明らかにはなっていない.

6.卵巣過剰刺激症候群

著者: 綾部琢哉

ページ範囲:P.38 - P.41

当直医へのcall

◆腹部膨満感,腹痛,呼吸不全,乏尿など,知らなければ脈絡のないような症状が全身に及ぶ.

◆卵胞発育促進薬を使用した不妊症患者に起こり,自然発生は稀であるため,問診が鑑別に重要である.

◆walk inが多いが,進行が早く,軽症とは言い切れない.

◆静脈血栓症が発生する場合は頭頸部・上肢に多く,普段遭遇することが少ないため気づきにくい.

7.子宮頸癌大量出血

著者: 横山良仁

ページ範囲:P.42 - P.44

当直医へのcall

◆進行子宮頸癌の放射線療法中あるいは化学療法中の大量出血.

◆未診断の大量性器出血のためコール.

 子宮がん検診が普及してきたことや病気の理解が進んだことから進行子宮頸癌の発生頻度は年々減少傾向にある.しかしながら,浸潤子宮頸癌は産婦人科領域の上位に位置する疾患であり,主症状である大量不正性器出血にはしばしば遭遇する.

 進行子宮頸癌と診断され,すでに治療が開始されている場合でも大量性器出血は起こりうる.また,突然の大量性器出血を主訴に休日,夜間に搬送される婦人の場合,流産,異所性妊娠を含む妊娠関連の疾患によるものなのか,筋腫分娩,子宮悪性腫瘍などの腫瘍性疾患によるものなのか,あるいは外傷性の外陰・腟の疾患なのか,によってその後の処置が異なるため,即座に判断しなければ生命を脅かすことにもなりかねない.

 本稿では未診断の子宮頸癌大量性器出血に遭遇した場合と子宮頸癌治療中の大量出血の場合の対応について概説する.

8.婦人科がん化学療法中の有害事象

著者: 横山良仁

ページ範囲:P.45 - P.48

当直医へのcall

◆発熱によって来院する場合(好中球減少).

◆嘔吐を繰り返し,来院する場合(主に白金製剤による).

◆下痢で来院する場合(イリノテカンなどによる難治性の下痢).

◆呼吸困難によって来院する場合(間質性肺炎).

 各種のがん治療ガイドラインの整理によって標準的化学療法の存在が定着してきたため,治療する産婦人科医は患者に抗がん剤の効果とともに有害事象を詳細に説明するようになった.患者用パンフレットの普及もあり,患者側も抗がん剤の副作用を理解したうえで治療に臨む体制が確立されてきた.したがって,有害事象によって休日や夜間に患者が病院を訪れる機会は減っているものの,患者側では有害事象なのか別の疾患の発生なのか不安を感じて,治療している病院に休日や夜間に駆け込み,産婦人科当直医が対応しなければない場面も想定される.

 本稿では,婦人科がん化学療法中の有害事象のなかで,そのような可能性の高い症候を概説する.有害事象のなかでは,抗がん剤の過敏反応や血管外漏出も処置には緊急を要するが,これらは原則日中の化学療法中の発生であるため,本稿では割愛する.

9.腟異物/性器外傷・出血

著者: 今西由紀夫

ページ範囲:P.49 - P.51

当直医へのコール

◆腟内に○○を入れてしまった.取れない.

◆○○のため腟口,外陰部から出血した.

のどちらかである.

 出血量が多量の場合は救急依頼のことが多いが,そうでない時はまず電話で相談がある.その際,何が起こったかを可能な限り詳しく聞くことが必要である.

 以下,「腟異物」「性器外傷・出血」に分けて述べる.

10.性暴力被害

著者: 川名有紀子 ,   安達知子

ページ範囲:P.53 - P.57

当直医へのcall

◆「性暴力被害を受けた方が(警察の方に付き添われて)来院します.診察と診察所見の記載,証拠資料の採取をお願いします」

・患者は身体的な被害のみならず,精神的にも深い傷を負っている.

・できるだけほかの患者と出会うことがないように誘導することが望ましい.

・看護師立ち会いのもとで,患者の立場に立った診察・治療を心がける.

11.緊急避妊

著者: 北村邦夫

ページ範囲:P.58 - P.63

当直医へのcall

◆「コンドームが外れた,破れた,レイプされた」などの訴えで緊急避妊を求めて来院する.

◆レイプ被害者には,性犯罪被害者に対する医療支援を受けるために,近隣の警察署への連絡が可能かを尋ねる.

◆性交が行われたのは月経周期の何日目か,性交後何時間が経過しているかを尋ねる.妊娠検査が必要な場合もある.

◆The sooner the better : 緊急避妊薬の服用は早ければ早いほど避妊効果が高いことを伝える.

◆しかし,緊急避妊薬からより確実な避妊法へと行動変容を促すことが大切なので,日中の受診を勧める.

2 婦人科術後合併症

1.術後出血

著者: 田中智人 ,   大道正英

ページ範囲:P.64 - P.68

当直医へのcall

◆血圧の低下,頻脈,尿量の減少.

◆腟,ドレーン,創部からの出血.

◆意識障害,腹痛.

2.呼吸・循環障害

著者: 吉田昭三 ,   小林浩

ページ範囲:P.69 - P.72

当直医へのcall

 呼吸,循環器系の術後合併症に関連したcallとしては,下記のようなものが多い.

◆全身麻酔後の覚醒に引き続き,酸素投与を行っていた.指示どおり酸素投与を中止すると,経皮的酸素飽和度(SpO2)の低下がみられたり,呼吸苦を訴えている.

◆頻脈があり,血圧が低く,尿量が減少している.

◆胸部の不快感,絞扼感がある.

 いずれも,症状のみで単一の疾患を想起するのは容易ではないため,絶えず種々の疾患を疑いながら最終的に確定診断することが必要である.

3.深部静脈血栓症/肺塞栓症

著者: 小林隆夫

ページ範囲:P.73 - P.77

当直医へのcall

◆婦人科術後患者が,下肢痛・腫脹,胸痛・呼吸困難などを呈した場合.

◆これらの症状が初回歩行,ベッド上での体位変換,排便・排尿時にみられた場合.

◆callの際に,酸素飽和度(SpO2)が90%未満なのか,心肺停止状態であるか否かなどのバイタルサイン情報が重要.

4.イレウス

著者: 平嶋泰之

ページ範囲:P.78 - P.81

当直医へのcall

◆術後症例の排ガス・排便の停止.

◆術後症例の腹痛,悪心・嘔吐,腹部膨満.

◆発熱,血圧低下,過呼吸,意識障害を合併する場合は要注意.

5.腎・泌尿器合併症

著者: 巽啓司

ページ範囲:P.82 - P.84

当直医へのcall

 手術当日に腎・泌尿器合併症で当直医がcallされる場合としては,

(1)「尿が出ない」あるいは「尿量が少ない」

(2)「血尿が持続する」

 術後数日経っている場合は,それらに加えて,

(3)「下腹部痛・腰背部痛」「発熱」「腟から水が漏れる」

などが想定される.

6.穿孔性腹膜炎/腹腔内感染

著者: 中江華子 ,   梁善光

ページ範囲:P.86 - P.89

当直医へのcall

◆術後2日以上経過しているのに,発熱が持続している.

◆飲水,飲食を開始したら,発熱,腹痛,嘔吐が出現した.

など,通常の術後経過と比較して回復が遅いことや,いったん回復徴候にあった体調が,逆に悪化しているということでcallされることが多い.「何かおかしい」という程度なのか,バイタルサインに影響が出るほどの変化なのか,症状の重症度には注意が必要である.

III 産科編

III章扉

ページ範囲:P.91 - P.91

1 緊急対応を要する分娩時・分娩後疾患

1.胎児機能不全

著者: 山口明子 ,   野村真司 ,   田中幹夫 ,   藤森敬也

ページ範囲:P.92 - P.95

当直医へのcall

 胎児機能不全のときは

◆胎児心拍数波形がレベル3・4・5(異常波形 ; 軽度・中等度・高度)である.

◆胎児のwell-beingが障害され,胎児の酸素化が不十分な状態が存在する可能性がある.

◆胎児心拍数波形分類を定期的に判断し,分娩進行度・妊産婦の背景(合併症・妊娠高血圧症候群・子宮内胎児発育遅延・羊水過少などのリスク)・施設レベルを考慮しながら,対応・処置にあたる.状況により,マンパワーの確保,手術室の手配(または高次施設への搬送)を考慮する.

2.遷延分娩

著者: 笹原淳 ,   光田信明

ページ範囲:P.96 - P.99

当直医へのcall

 助産師はどのような問題としてcallすることが多いのか?

◆陣痛発来後,分娩進行が不良である.具体的には,分娩第一期,第二期のいずれでも起きうるが,後述のFreidman曲線から分娩進行が大きく外れた場合,ドクターコールされる.

 当直医が診るとき,確認すべき周産期情報は?

◆産婦が初産婦か経産婦か? 経産婦であれば前回の分娩経過は?

◆破水か未破水か? 破水している場合は,破水後経過時間,感染兆候は?

◆胎児心拍はreassuring(安心できる)patternか?

◆胎位は? 回旋異常は? 推定体重は?

3.肩甲難産

著者: 笹原淳 ,   光田信明

ページ範囲:P.100 - P.104

当直医へのcall

 助産師はどのような問題としてcallすることが多いのか?

◆頭位経腟分娩施行時に児頭娩出後,通常の牽引で肩甲が娩出不能な場合に肩甲難産としてcallされる.

 当直医が診るとき,確認すべき周産期情報は?

◆児頭娩出までの分娩進行はどのようであったか?

◆分娩歴は? 経産婦の場合には,前回分娩はスムーズだったのか?

◆子宮口全開大からの経過時間(分娩第二期)は遷延していないか?

◆turtle signはあるか?〔児頭娩出後,第4回旋が起きず児頭が腟内に引き込まれる(recoil)〕.

◆最終の胎児推定体重は?

◆母体基礎疾患(特に耐糖能異常)は?

4.臍帯下垂・脱出

著者: 正岡直樹 ,   千葉純子

ページ範囲:P.105 - P.107

当直医へのcall

◆破水を契機とした,急激な胎児心拍の低下で報告を受けることが多い.

5.羊水塞栓症

著者: 金山尚裕

ページ範囲:P.108 - P.111

当直医へのcall

◆分娩1期あるいは2期には過強陣痛・下腹痛を伴う原因不明の胎児機能不全としてcallされやすい.破水後には過強陣痛を伴う遷延性徐脈,高度変動一過性徐脈,遅発一過性徐脈が出現する.胎児因子,臍帯因子,胎盤因子で説明できない胎児機能不全である.

◆分娩後にサラサラした出血,子宮弛緩,血圧低下がみられる.胎盤娩出後,会陰の縫合中に非凝固性の出血を認め,その後に短時間で子宮からの大量出血となる.

◆胸痛,胸部苦悶,意識消失,失禁 : 羊水塞栓症には意識消失がしばしば伴うことを念頭に置く.意識消失=子癇や脳出血と考えない.

6.子宮破裂

著者: 島内昌仁 ,   川端正清

ページ範囲:P.112 - P.115

当直医へのcall

当直医が助産師から受けるcall

 子宮破裂が起きたときに当直医が助産師から受けるcallは,以下の3点が想定される.

◆胎児心拍の異常(高度変動一過性徐脈ないし遅発性一過性徐脈)が出現し,産婦が強い痛みを訴えている(→切迫症状ないし初期症状).胎児心拍が聴取困難である.産婦に不穏状態が認められる(→不完全子宮破裂).

◆胎児心音消失,陣痛の消失,産婦のショック状態(→完全子宮破裂).

◆分娩後の子宮出血量が多い(→無症候性子宮破裂).

7.巨大腟・会陰血腫

著者: 小泉佳男 ,   川端正清

ページ範囲:P.116 - P.118

当直医へのcall

◆分娩後に産道痛,肛門痛,肛門圧迫感などの症状を訴える.

◆産褥早期から外陰部の疼痛を訴える場合,裂傷縫合部創痛であるのか血腫であるのかの鑑別を要する.そのため,必ず視診,触診をすべきである.

◆鎮痛薬投与で軽快しない分娩後産道痛の場合は血腫を疑う.

8.子宮内反症

著者: 江口勝雄

ページ範囲:P.119 - P.121

当直医へのcall

 当直医が受けるcallに多い内容・状況としては以下のものがある.

◆分娩後の大量出血.

◆子宮底がよくわからない.

◆胎盤娩出後に異常なものを腟内に触れる(筋腫分娩かと間違えやすい).

◆分娩後の強烈な疼痛.

◆ショック状態(出血性+神原性).

9.大量出血/ショック

著者: 依藤崇志 ,   牧野真太郎 ,   竹田省

ページ範囲:P.122 - P.133

当直医へのcall

◆「外出血の割に低血圧,頻脈があります」→産科ショック

◆「子宮底が分かりにくく,子宮収縮が悪いです」→弛緩出血

◆「外出血が多く,血液がサラサラして固まりません」→産科DIC

◆「腟内に何かあります」→内反と血腫

◆「産後に(外陰,腰,側腹部を)痛がっています」→外陰・腟壁・後腹膜血腫

10.産科DIC

著者: 山本祐華 ,   竹田省

ページ範囲:P.134 - P.137

当直医へのcall

◆(分娩後)出血量が多いです!

◆出血がさらさらしています!

◆血圧が低下しています! 頻脈です!

2 周産期救急の初期対応

1.妊娠初期の出血

著者: 大場智洋 ,   大槻克文 ,   岡井崇

ページ範囲:P.138 - P.141

当直医へのcall

◆妊娠初期の出血は正常妊娠でも起こりうる症状であるが,連絡を受けたときは,早期流産,切迫流産,異所性妊娠などを念頭に置く必要がある.

◆病態によっては,下腹痛を主訴とする症例がある.

◆救急搬送される場合もある.

2.切迫早産/早産

著者: 太田創 ,   大槻克文 ,   岡井崇

ページ範囲:P.142 - P.145

当直医へのcall

◆下腹痛や腰痛,性器出血,破水などを伴う子宮収縮を主訴に来院したり,救急搬送されたりする症例が多い.

◆軽度の子宮収縮のみを認める軽症から子宮口の開大や胎胞膨隆を認める重症まで,さまざまな状態がある.

◆妊娠週数,外来受診時の徴候,無痛性の出血,突然の激しい腹痛,発熱の有無などに注意を払う.

3.前置胎盤での警告出血

著者: 関口敦子 ,   中井章人

ページ範囲:P.146 - P.149

当直医へのcall

◆主訴 : (1)出血 : 少量~大量 : 付着程度~数百から1,000 mL以上.(2)腹部緊満感・下腹痛(-)~軽度(+) : 通常,前置胎盤のみでは激痛なし.

◆来院経路と状態 : 出血量による.徒歩~救急車搬送までありうる.

◆コールを受けた時点で必要な情報 : バイタルサイン,妊娠週数,胎盤位置,出血量,腹部緊満感・下腹痛,胎動.

4.常位胎盤早期剝離

著者: 林昌子 ,   中井章人

ページ範囲:P.150 - P.154

当直医へのcall

◆妊娠後半期の下腹痛としてcallされる.腹痛ではなく腰痛を訴える場合もある.少量~多量の性器出血を伴うことも多い.

◆正常な陣痛発来や切迫早産のような訴えで受診することもある.

◆交通事故などの腹部外傷によって発症することもある.

5.HELLP症候群/急性妊娠脂肪肝

著者: 水上尚典 ,   荒木直人

ページ範囲:P.156 - P.159

当直医へのcall

◆食欲不振,全身倦怠感,上腹部痛,上腹部違和感,下腹部に鈍痛などの腹部症状が主訴であることが多い.

◆常位胎盤早期剝離,HELLP症候群/急性妊娠脂肪肝,妊娠高血圧腎症,切迫早産の4者を念頭に置き,鑑別を進める.

◆walk in,救急車いずれの方法でも来院の可能性あり.

6.周産期心筋症

著者: 村林奈緒 ,   池田智明

ページ範囲:P.160 - P.161

当直医へのcall

◆妊娠末期~産褥早期の呼吸困難が主訴であることが多い.

◆息切れ,むくみ,倦怠感など,正常妊婦でもよく聞かれる主訴であることも多い.

◆突然発症の重篤な呼吸障害のため,救急搬送が必要となることもある.

7.劇症型A群溶連菌感染症

著者: 堤誠司 ,   倉智博久

ページ範囲:P.162 - P.165

当直医へのcall

◆妊婦が熱発して上気道炎様の症状を呈している.

◆全身の倦怠感が強く,家族に連れられてwalk inする.

◆強いおなかの張り(子宮収縮)がある,あるいは徐々に子宮収縮が強くなり,常位胎盤早期剝離を疑わせる.

3 妊産褥婦の合併疾患 症状からみた合併疾患の鑑別

1.頭痛

著者: 奥寺敬 ,   橋本真由美

ページ範囲:P.166 - P.168

当直医へのCall

 頭痛は,救急患者の主訴としても,また一般外来の主訴としても「ありふれた」主訴である.頭痛の鑑別診断は,問診と診察のみで可能である.特に産科領域の患者は,画像診断に制約がある場合があるので,問診と診察に重点を置く.

2.呼吸困難

著者: 西口翔 ,   徳田安春

ページ範囲:P.169 - P.171

「当直医へのCall」

◆患者は「息苦しい」「胸が苦しい」「胸が辛い」「胸が詰まる」などさまざまな表現をし,「呼吸困難です」とは訴えない.

◆walk inよりも入院中や救急搬送時のほうが重症である可能性が高い.また,意識障害で,呼吸困難を訴えられない状態のこともある.

◆callがあったとき,SpO2低下の有無が大切な情報である.もし,SpO2低下があれば,胎児を低酸素に曝すため,緊急性が高い.

3.動悸/息切れ

著者: 小山泰明 ,   箕輪良行

ページ範囲:P.173 - P.181

当直医へのcall

◆動悸や息切れは多くの妊婦が経験する症状であり,生理学的変化によって正常妊娠で起こる.

◆しかし動悸や息切れを訴えるwalk inの患者も多く,重症感が一見ないようにみえる場合もある.

◆動悸や息切れだけでなく発汗や冷感など,ほかの症状やバイタルに異常を認めた場合は要注意であり,即介入が必要である.

4.胸痛

著者: 今村浩

ページ範囲:P.182 - P.187

当直医へのcall

◆数十分~数時間前から胸が痛い.まだ続いている(急性)

◆数時間~数日前から胸が痛い(亜急性・持続性)

◆何日(週,月)か前からときどき痛む(慢性・反復性)

◆バイタルサインの異常を伴う,冷や汗をかいている(重症,緊急性あり)

5.嘔気/嘔吐

著者: 吉川和秀

ページ範囲:P.188 - P.192

はじめに

・嘔気・嘔吐は消化器系,中枢神経疾患,中毒疾患,代謝性疾患などさまざまな疾患で認められる.

・大きく分類すると原因は中枢性か末梢性かに分かれる.

・中枢性嘔吐

(1)嘔吐中枢の直接刺激

(2)延髄CTZ(chemorecepter trigger zone)の刺激

(3)大脳皮質の興奮

・末梢性刺激

(1)迷走神経を介したもの

(2)内耳・前庭期間の刺激

・消化管閉塞による物理的なもの

・妊娠に伴うもの

6.腹痛/下痢

著者: 荻野隆光

ページ範囲:P.193 - P.198

当直医へのcall

◆「妊娠○週の○歳女性が腹痛(下痢)で救急外来受診しています」

◆「腹痛の原因として産婦人科疾患が疑われるので診察をお願いします」

◆「下痢の原因は急性腸炎が疑われますが,患者は胎児への影響を心配しているので診察をお願いします」

7.吐血/下血

著者: 岩田充永

ページ範囲:P.200 - P.202

当直医へのcall

◆「吐血・下血」を訴える場合は消化管出血の可能性が高いが,吐血では鼻出血・口腔内出血や喀血の可能性を,下血では性器出血の可能性を除外する必要がある.

◆多くの症例は,軽症で緊急処置は不要であるが,失神,体位変化(特に座位や立位になったとき)に伴うふらつきや動悸を伴う場合は大量出血が予想されるため,注意を要する.

◆発症状況・基礎疾患・内服薬剤の確認は重要である.

8.めまい

著者: 三宅康史

ページ範囲:P.203 - P.206

当直医へのcall

◆呼ばれるとしたら,「めまいの患者が来たんですが,妊娠しているとのことで一度診てもらえませんか」「先生のところでフォローされている妊婦さんです.経過に問題ないかちょっと診てください」など.

◆めまいが主訴の患者は多くても3%程度.なかでも,めまいのみを主訴とし,全身状態の安定している症例の大部分は,危険性の少ない良性発作性頭位めまい症(benign paroxysmal positional vertigo : BPPV).

◆めまいといっても,目が回る,周りが回るから始まって,体がふらふらする,ふわふわする,立っていられない,意識が遠のく,目の前が真っ白などさまざま.めまいの中身を具体的に吟味し,数は少ないが見逃してはいけない重大疾患(心原性,脳血管障害)を疑ったら,専門医へコンサルト.

◆出血による血管内低容量性ショックは,周産期救急として自ら鑑別.

9.失神/意識障害

著者: 後藤磨磯 ,   林寛之

ページ範囲:P.208 - P.212

当直医へのcall

 リーン!リーン!深夜2時のホットライン.

当直医「はい!こちら○○病院です」

救急隊「患者さんの受け入れをお願いします.35歳女性,自宅のトイレで倒れ,現在,意識朦朧状態.倒れる前には,目が見えないとの視力障害の訴えもあったようです.麻痺も少しあります…….あっ,あと現在妊娠30週です.受け入れよろしいでしょうか?」

妊婦?? 失神?? 意識障害??

 これは実際筆者が受け取ったホットラインである.この項では,妊産褥婦の失神・意識障害に対し,慌てず,しかも迅速に対応する基本的アプローチ法を述べる.

当直医へのcallとして

◆失神・意識障害どちらの主訴もこのように救急搬送される例が多い.しかし失神はwalk inで来院する例も多く,雑多な救急外来では迅速なトリアージが必要である.

◆失神と意識障害を区別して考えることが,迅速な診断と治療につながる.

◆妊産褥婦特有の陥りやすい緊急疾患をおさえておくことが重要である.

呼吸器疾患

1.風邪(ウイルス性上気道感染) 上気道の細菌感染症(溶連菌性咽頭炎,細菌性副鼻腔炎)

著者: 岸田直樹

ページ範囲:P.213 - P.217

当直医へのcall

◆「妊婦さんの風邪に出してもよい薬は何ですか?」

◆「薬の安全性に関してどのように説明したらよいですか?」

◆「風邪のウイルスの胎児への影響に関してはどのように説明したらよいですか?」

◆「溶連菌性咽頭炎,細菌性副鼻腔炎への抗菌薬は何を使用したらよいですか?」

2.インフルエンザ/細菌性肺炎

著者: 大野博司

ページ範囲:P.218 - P.220

当直医へのcall

◆発熱,下気道症状(咳,痰,呼吸困難感など)の主訴でcallがあれば,肺炎および冬期シーズンならばインフルエンザを鑑別に入れる.

◆インフルエンザ,細菌性肺炎は救急搬送,walk inともに当直帯では重症度が高いことが多い.

◆callの時点で,血圧低下や低酸素など不安定なバイタルサインの場合は迅速に対応する.

3.喘息発作

著者: 谷口正実

ページ範囲:P.222 - P.228

疾患の概要―喘息とは

妊婦の喘息有病率は5%以上

 喘息は世界的に最もありふれた妊婦の合併症とされる1~3).日本でも成人喘息の有症率はここ20年で3倍に増加していることが確認されており4),2006年の全国喘息有病率調査では,20~44歳一般女性の5.6%が医師による喘息診断を受け,かつ治療中もしくは喘息症状があることが判明している5).一方,自己申告のアレルギー鼻炎は40%以上にあり,ともに非常に遭遇しやすい合併病態といえる5)

循環器疾患

1.高血圧/高血圧性脳症

著者: 大野泰正

ページ範囲:P.229 - P.232

当直医へのcall

◆一次医療施設から : 分娩進行中の妊婦の血圧が上昇.頭痛,嘔吐,視力障害が出現している.搬送したい.

◆救急隊から : 妊婦が自宅で痙攣を起こし,救急要請あり.血圧も高い.搬送したい.

◆病棟スタッフから : 妊娠高血圧症候群で入院中の患者の血圧が上昇.頭痛,嘔吐,上腹部痛が出現している.診てほしい.

2.脳出血/脳梗塞

著者: 岩渕聡 ,   原科純一 ,   木村仁 ,   林盛人 ,   斎藤紀彦

ページ範囲:P.234 - P.239

当直医へのcall

 下記の症状には要注意! 脳卒中を疑え!

◆意識障害,痙攣

◆麻痺

◆頭痛

3.急性循環不全(不整脈/心筋梗塞)

著者: 鈴木富雄

ページ範囲:P.240 - P.244

不整脈

当直医へのcall

◆胸がドキドキして息苦しい感じがするという主訴で救急車で来院.

 救急搬送される前に産婦人科医に連絡があると,最初に産婦人科医が診る場合も多い.

◆脈が飛んで気持ち悪いという主訴で歩いて来院.

 まずは救急外来の担当医が診察して,必要に応じてコンサルトを受ける場合が多い.

消化器疾患

食中毒

著者: 三河貴裕 ,   細川直登

ページ範囲:P.245 - P.249

当直医へのコール

◆「かかりつけの妊婦さんが,食後1時間で発症した嘔吐,下痢で来院しました」

◆「かかりつけの妊婦さんが,突然の発熱,関節痛,筋肉痛,背部痛で来院しました」

 主訴は,嘔気,嘔吐,下痢が多い.消化器症状がなく,発熱,悪寒戦慄,背部痛がある場合はリステリア感染症の可能性があることに注意する.非特異的なインフルエンザ様症状がリステリア症の典型的な発症症状である.

◆多くはwalk inで来院する.

◆患者の全身状態はそれほど悪くないことが多い.

◆callの時点で特に重要な情報は全身状態とバイタルサインである.

腎・泌尿器疾患

1.急性腎炎

著者: 鈴木洋通

ページ範囲:P.250 - P.252

当直医へのcall

◆血尿,ときに肉眼的血尿のことあり.

◆浮腫,特に朝方から急に顔面を主体としたむくみの出現.

◆頭痛や全身倦怠感がある.

 基本的に救急搬送されることは少ないが,もし妊娠中期から後期にかけて出現したときには加重型妊娠高血圧腎症との鑑別が難しいことがある.

2.尿路結石

著者: 松崎章二

ページ範囲:P.253 - P.256

当直医へのcall

◆これまでに経験したことのない激痛を訴え,不穏状態で救急搬送されることが多い.

◆疼痛は片側性で腰背部痛や側腹部痛であることが多い.

◆肉眼的血尿の有無,尿路結石の既往,尿路感染症状の有無を確認する.

内分泌・自己免疫疾患

1.糖尿病性ケトアシドーシス

著者: 杉山隆

ページ範囲:P.258 - P.261

当直医へのcall

◆糖尿病性ケトアシドーシスの場合,強い全身倦怠感と意識障害が特徴.ただし,意識障害の程度は軽度意識障害から昏睡に至るまでさまざま.よって救急搬送もあればwalk inもある.

◆当直帯では昏睡の可能性も高く,そのほとんどは救急車で搬送される.意識がないとの情報が入れば,ICUへ収容する.

◆多くは1型糖尿病であるが,2型糖尿病の一部や耐糖能異常の既往がない劇症1型糖尿病(1週間以内に感冒様症状が先行することが多い)に注意する.

◆患者の呼吸状態(大呼吸があるか,ケトン臭があるか),高血糖(>300 mg/dL)およびケトン尿強陽性の情報も重要.

2.甲状腺クリーゼ

著者: 吉原愛 ,   伊藤公一

ページ範囲:P.262 - P.265

当直医へのcall

◆通常は救急搬送が多い.しかしながら,外来への独歩受診のことも稀にある.

◆主訴は,頻拍,多汗,発熱,意識障害,消化器症状(嘔吐・下痢など)が多い.

◆過去に甲状腺疾患を指摘されていないかの聴取が望ましい.

3.SLEの増悪

著者: 村島温子

ページ範囲:P.267 - P.269

当直医へのcall

◆発熱 : 38度以上の高熱,全身の関節痛を伴うことが多い.ステロイド薬を自己判断で減量や中止しない限り,このような事態になることは稀である.

◆浮腫 : 下腿を中心にしたpitting edemaである.ループス腎炎の悪化か妊娠高血圧腎症の出現か判定が難しい場合もある.前者は亜急性,後者は急性のイメージがある.

◆関節痛 : 全身の関節痛を訴え,発熱を伴うときはSLEの増悪の可能性が高い.

◆紅斑 : ステロイド薬で治療されているSLE症例でSLE固有の紅斑が新たに出現することは稀である.多くの場合が妊娠性発疹と考えられる.

◆当直医が注意すべき点 : ステロイド薬や免疫抑制薬などの薬剤を自己判断で減量ないしは中止していないかどうかを聞き取ることが優先される.

血液疾患

1.貧血

著者: 山中克郎 ,   寺澤佳洋

ページ範囲:P.270 - P.274

当直医へのcall

◆スタッフ「先生,貧血の患者さんです」

2.血小板減少症

著者: 富田直人

ページ範囲:P.275 - P.277

当直医へのcall

◆採血での血小板減少にてcallされることが多い.

◆EDTA採血での血小板減少の場合,偽性血小板減少症を除外するために血小板塗抹標本で血小板凝集の有無を確認する.

◆血小板数3万/μL以上で出血症状がなく,全身状態が良好であれば,自宅安静として翌日以降に血液内科を受診するように指示する.

その他

1.てんかん

著者: 山崎悦子

ページ範囲:P.278 - P.279

当直医へのcall

◆想定される最多の主訴は「痙攣」もしくは「意識障害」である.

◆疾患の特性から救急搬送がほとんどであるが,稀に発作後の状態で一次施設,二次施設を受診することもある.

◆本人から話を正確に聞くことは不可能に近いので,目撃者を見つけて話を聞くことが大事である.

2.脱水症/熱中症

著者: 中西功

ページ範囲:P.280 - P.284

当直医へのcall

◆倦怠感,意識混濁などの明らかな症状があれば,すでに高度の脱水症である.脱水症には水欠乏型脱水症とNa欠乏型脱水症があり,臨床症状も治療法も大きく異なる.

◆熱中症は暑熱環境が原因となって発症する急性疾患の総称である.Na欠乏型脱水症を伴っていることが多く,意識障害や著明な体温上昇があるときは重症である.

◆症状出現までの水分摂取状況や暑熱環境(高温・多湿環境)の情報収集が重要となる.

3.交通外傷

著者: 後藤摩耶子 ,   松岡哲也

ページ範囲:P.285 - P.288

はじめに

 妊婦が妊娠中に,何らかの外傷に遭遇する確率は6~7%といわれており,母体が重症である場合15~40%に,軽傷であっても1~4%に胎児死亡が起こる.

 妊婦における重症外傷の発生頻度は決して高くはないが,妊娠週数により腹腔内臓器の解剖学的位置の変化や,妊娠に伴う生理学的徴候の変化を伴うため,特に周産期にある妊婦外傷例の初期診療を行うにあたっては,妊婦の特殊性を理解し,外傷に付随する産科的疾患を念頭におき,母体のみならず胎児の救命を考慮しなければならない.

IV 緊急時の基本手技

IV章扉

ページ範囲:P.289 - P.289

心肺蘇生法

著者: 河野裕美 ,   今明秀

ページ範囲:P.290 - P.294

Point

◆妊婦蘇生は胸骨圧迫時に子宮を左によける.

◆妊婦は蘇生に影響を及ぼす生理学的特徴がある.

◆死戦期帝王切開術の適応を理解する.「死の4分」.

気管挿管/気管切開

著者: 吉岡隆文

ページ範囲:P.296 - P.300

基本手技の概要

 気管挿管など確実な気道確保の適応となるのは,以下に挙げる異常がある場合である.

・Air way(気道)の異常 : 用手的気道確保が不十分,吐物などによる誤嚥・窒息の可能性のあるもの

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バックナンバー

ページ範囲:P.301 - P.301

投稿規定

ページ範囲:P.302 - P.302

著作財産権譲渡同意書

ページ範囲:P.303 - P.303

奥付

ページ範囲:P.304 - P.304

基本情報

臨床婦人科産科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1294

印刷版ISSN 0386-9865

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