文献詳細
連載 FOCUS
文献概要
はじめに
産科医療補償制度は,分娩にかかわり発生した脳性麻痺というきわめて限定された対象のみにではあるが,医療事故への事後対応としてわが国が初めて“無過失補償”の考えを取り入れた画期的な制度で,社会からの期待も大きい.しかし,同様の制度を早くから導入し定着させている先進諸外国の例と比べると,本制度には未熟な部分があって,医療の提供者と受給者の双方に最大限の有益性をもたらす運用には難しい舵取りが要求される状況にある.そのため,現在,2015年の改定に向けて,制度の細部にわたり議論が白熱している.その議論がどこに落ち着くのか気になるところではあるが,本稿では,現行の制度のこれまでの運用実績について記すこととする.
産科医療補償制度は,分娩にかかわり発生した脳性麻痺というきわめて限定された対象のみにではあるが,医療事故への事後対応としてわが国が初めて“無過失補償”の考えを取り入れた画期的な制度で,社会からの期待も大きい.しかし,同様の制度を早くから導入し定着させている先進諸外国の例と比べると,本制度には未熟な部分があって,医療の提供者と受給者の双方に最大限の有益性をもたらす運用には難しい舵取りが要求される状況にある.そのため,現在,2015年の改定に向けて,制度の細部にわたり議論が白熱している.その議論がどこに落ち着くのか気になるところではあるが,本稿では,現行の制度のこれまでの運用実績について記すこととする.
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